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「いらっしゃいませー！！テーブルとカウンター、どちらがよろしいでしょうか？」
「どっちがいい？」
「じゃあテーブル席で！お願いします！！」
せっかくの1万円、思い切り堪能するべく私が選んだのは、回転寿司だ。
「1万円でひと皿100円プラス税...あ、イートインだから10％...よし、1人40皿は食べられる！久々のお寿司！！」
お茶とお皿が目の前に置かれて前を見ると、龍斗くんが笑っている。
「あ、ごめん！1人ではしゃいでしまった...いや、実家でも滅多に食べないから。」
「そうだよね森口さんち中華料理屋さんだもんね...俺のことは気にしないでいっぱい好きなネタ食べなよ(笑)。」
「...ありがとう。じゃあ、今北海道フェアしてるから、」
「おっけー。とりあえずカニ食べてみる？」
世間話をしながら、お寿司を食べ注文ボタンを押す。
レーン越しの向かい席に、男子グループが座った。
どこかで聞いた声。
「...あ」
瑞稀さんと、橋本さんが笑っていた。
「何、どうかした？」
龍斗くんが箸を止める。
「ほら、瑞稀さんと橋本さん。Aはいないな、あとは知らないおっさん。」
振り向いた龍斗くん、2人を確認すると即座に背中を丸める。
「ホントだ...何となくめんどくさいから知らん振りしてよう。」
「それもそうだね...私もバレないようにしよう。」
あちらから見えないように、皿を積み上げ壁を作ってみる。
瑞稀さんたちはビールなんか飲みながら、大きな声で笑っている。
私と龍斗くんは、どちらからともなく無言になり、聞き耳を立てながら寿司を食べる。
「おい、お前ら！例のアレ、どうなってる？」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
