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あれやこれやと日々が過ぎていく。
初めての試験も何とかクリア、バイト(念願叶って本屋さん)に授業にサークルに充実している。
...Aがいないのが寂しいけれど。
「ねぇ、森口さん。」
「はい。」
「最近、松村さん学校来てる？」
「え、来てるとは思いますけど...どうしてですか？」
「いや、最近欠席がちだから...来てるならいいんだ、突然来なくなる学生もいるからちょっと心配してね。」
「実は私も連絡あまり取ってないんです...でも先生が心配して下さっていること今日にでも伝えておきます。」
「先生、横の教室鍵かけてきました。」
「ありがとう岩本くん。じゃあ森口さん、こっちもそろそろ終わろうか。」
今日は龍斗くんと、教授のお手伝い。
1時間くらいと思っていたら、あっという間に外は暗くなってきていた。
「2人とも本当にありがとう。こんなに遅くまで助かったよ...これ、少しだけど。」
教授がポチ袋を差し出す。
「いえ！そんなことは、」
「学生が遠慮しない！ほら、なんか食べて帰って。」
「...ありがとうございます。」
龍斗くんにポチ袋を渡すと、教授はにこやかに去っていった。
「...どうする？龍斗くん。」
「うん...ちなみに森口さん、バイトは？」
「今日はシフト入ってない。」
「じゃあ、せっかくだから夕ご飯食べて帰ろうよ。」
「え、いいの？家の人、待ってるんじゃない？」
「んなもん電話1本入れときゃいいからさ。ね、俺もうお腹ペコペコなんだよ、行こうよ！」
...バイクでひゅんと帰ればすぐなのに。
これは帰ってもひとり飯の私を気遣ってのことだ。
相変わらず優しい。
でも、全然押し付けがましくなくて、自然に甘えられる。
...あなたが帰ってきたとき、龍斗くんは誰かに取られてるかもよ？
「じゃあそうしようかな。」
「うん、帰りは送るから心配しないで。何食べたい？」
「そうだなぁ...やっぱり麺系かなぁ？うどんとかいいかも。あ、いくら頂いたの？」
「あ、待って...うわぉ！！」
ポチ袋から取り出されたのは、1万円札。
しばし2人でお札を見つめる。
「...これ、うどん何杯分？」
「もっと、お高いモノでもいいかも...森口さん、何食べようか？」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
