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「...まき!!」

「...カンナさん!!!」

顔を見るなり、固く抱擁する2人。

「本当にご無沙汰してしまって...」

「久しぶり...まき、すっかりキレイな若奥さんになって...」

「いえいえカンナさんの美貌には...あ、こちらが」

「あ、初めまして、渡辺です。それから息子の慧多です。親子共々よろしくお願いします。」

慧多くんを翔太さんから預かったカンナさん。

「この子がまきの...お父さんに似ていい男じゃないの。」

「そのことな!おいまき!どんな手を使ってこんな色男騙したんだよ!!」

カンナさんに抱かれた慧多くんを覗き込むヒロジさんが言うと、周りの人も頷いている。

「だから騙してません!しょーたからアプローチされたんですって!!」

1人で怒るまきさんを笑う中、コソッと翔太さんに挨拶する。

「翔太さん...今日はありがとうございます。」

「全然(笑)。どうせ毎週慧多を見に帰ってたから...それより典子ちゃん、大変だったね。」

「はい...だから早くAの元気な姿を見たいです。」

「大丈夫、こんなにみんながAちゃんを待ってるんだ、きっと思いは届くから。」

「ありがとうございます...よろしくお願いします。」

「じゃあそろそろ、みなさん集まって下さい!」

猪狩が大きな声で招集をかけた。


「今日はみなさんお忙しい中、俺たちの無謀な計画に賛同頂き、こうやって集まって下さりありがとうございます。お話ししました通り、俺たちの仲間、松村Aが理不尽に傷つけられ今、人生のどん底でさまよっています。どうしてこうなる前に助けることが出来なかったのか、悔しい気持ちでいっぱいです...残りの仲間で一生懸命計画を考えました。でも正直、松村がこれで立ち直れるのか自信はないです。ただ、松村にお前はひとりじゃない、俺たちっていう仲間がいるってことだけでも伝えたいんです。照さん、ヒロジさん、カンナさん、翔太さん、まきさん...学生の考えた幼稚な計画ですが、どうかよろしくお願いします!!」

猪狩は一気に話すと深く頭を下げた。

すぐに残りの仲間も立ち上がり、頭を下げる。

『よろしくお願いします!!』




「うん、アンタたちの大切な仲間のために大人たちも一肌脱いじゃいますか!!さぁ、とりあえず当日の扮装してみようか?」

目頭を抑えながら、まきさんが言う。

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作者名:Momanao | 作成日時:2021年1月4日 1時

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