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「フフ...ハハ、アハハ...あはははは(笑)。」

Aが突然笑い出す。

「え、大丈夫...?」

みんなが心配するほどいつまでも、お腹を抱えて笑い転げている。

やっと落ち着いたかと思ったら、すくっと立ち上がった。


「あーダメだこりゃ、使いものにならない、帰るわ。」

そう言うとAは帰り支度を始めた。

「あ、じゃあ私も一緒に帰る、」

「ダメ!お昼から実習でしょ?ちゃんと出席しないと単位落とすから!」

「そんなのAだって同じじゃん!今は実習よりAと一緒にサボりたいの!」

「違うの!典子優秀だから絶対首席になって欲しいの!私のためにバカなことしないて!」

「私のためって何よ!」

「森口さんわかった!俺が送っていくから。」

龍斗くんが間に入る。

「大丈夫、1人で帰れる。」

「いやいやみんな心配なんだよ、今日くらいは甘えろって。」

「だから嫌なんだって!!」

荷物を持とうとする龍斗くんの手を、Aは思い切り振り払った。

「心配とか同情とか、いらない!てか今本当は何考えてる?騙されてる人に夢中になって授業もろくすっぽ出ずに遊び歩いて自分勝手にバンドも辞めて迷惑かけて挙句の果てに大騒ぎ起こして、バカなヤツって呆れてるんでしょ?そう!私救いようのないバカなの!みんなの足しか引っ張らないの!だからこんなバカなんかほっといてみんなで仲良くやんなよ!!」

そうAは言い散らした。

悲しそうな目の龍我くん、猪狩、それから龍斗くん。


プッチーン...

「...甘えんのもいい加減に、」

本日2回目、理性が吹っ飛んだ私を止めたのは龍斗くんだった。

「わかった。じゃあ気をつけて帰りなよ。」

「龍斗くん何言ってんのよ!今からこの女の腐りきった根性を叩き直す、」

「それはまた今度...でもね。」

Aを見つめる龍斗くん。

「ひとつだけお願い。帰ったら絶対森口さんに連絡1本入れて?」

「...わかった。」




実習が終わり、スマホを見るとAからスタンプがひとつ。

それを最後に、私たちの前から消えた。

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作者名:Momanao | 作成日時:2021年1月4日 1時

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