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「よっ!二枚目!待ってました!!」

慧多くんを抱いたまきさんが、ひと声あげる。


「だってコイツらがうるさくてせっかくのアニキたちとの語らいを、」

あれ、大昇くんいつもの爽やか青年に戻った?

「お前この俺に口ごたえするのか?え、表出るか?」

「へ、え、あ、す、すみやせん!!」

「あー大昇、謝っちゃダメ!!」

「だって翔太さん恐いし!」

「さすがしょーた!!アウトレイジで勉強してきた甲斐がある!!」

「おう!毎日ふっかと読み合わせよ!」

「聞いた!で、役に入りすぎて娘泣かせて美希に追い出されたんでしょ?」

「そう!美希ちゃんめっちゃ恐かった!極道の妻だったよ。」

「でもそんな努力家のしょーたが大好き!」

「ねーちゃんうるさい!!」

「はい気を取り直して!続けましょう!!じゃあ次は照さん、」

「...おいおまえたちさっきからなにさわいどんじゃー。」




え、



再びみんなが固まる。



ヤバい...

照さん、棒読みなんです...



その後も淡々と続く読み合わせ。

もちろん、照さんも台詞あり。


ダメだ...
でも、わらっ、

横を見ると、猪狩が震えていた。
でも、何度も足をつねったり耳を引っ張ってみたりして、必死で堪えている。

猪狩もこんなに頑張ってんだ。
私も気が抜けないように、必死に無表情を決め込む。




「...はい、みなさま、お疲れ様でした...」

龍斗くんの声で、みんなが息を吹き返す。


「どうにかいけそうだな。」

「じゃあ明日ってことで。」

「あ、ちょっといいですかー?」

まきさんが手を上げた。

「なんでしょうか?」

「あのさ、気になったことがあったんだけどいいですか?」

「はい、どうぞ。」

「あの、ボス役の、岩本照さん?ヘタクソ過ぎませんか??」


イヤー!!!
やめてー!!!
血が繋がってるって凶器!!!

ここにいる全ての人間が絶対言えないって思っていることをサラッと言っちゃうのねー!!!

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作者名:Momanao | 作成日時:2021年1月4日 1時

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