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「...いかがでしょうか？」
「協力メンバーが案を出し合って、森口さんがまとめてくれたんだ。どうかな？」
「うん、よく出来た脚本だと思う...でも、どこで作戦実行する気？」
「それなんだけど...兄ちゃん、」
龍斗くんと私は正座して、照さんに向かう。
「ヒロジさんに、お願いできないかと思って。」
「龍斗さんに聞きました、照さんの幼馴染で居酒屋さんされてる強面だけど情に厚くて優しい人がいるって...まずはお話だけでもと、でも照さんの大事なお友達だからまずお許しを頂きたくて今日は来ました。」
『よろしくお願いします！』
龍斗くんと2人で、頭を下げる。
「...バカじゃないか？」
照さんの低い声で、ほぼ絶望して頭を上げる。
「水臭いぞ2人とも！んなもん俺が今すぐ話つけてやる！てか龍斗、よくヒロジの店って思いついたな！大丈夫、アイツも二つ返事でＯＫしてくれるはずだよ。」
『ありがとうございます！！』
にっこりと笑う照さんに、ホッと胸を撫で下ろす。
よし、これで1歩前進だ。
「ねぇ、ひとつ言ってもいい？」
黙って台本を読んでいたまきさんが、顔を上げる。
「あ、はい。」
「え、ダメ出し？さすが元企画の鬼...」
「ちょっと待て、龍斗、そのあだ名どこから聞いた？」
「え？あぁ翔太さん。なんか、フツーに後輩の男泣かせてたらしいんじゃん？」
まきさんが固まり、一同沈黙状態になる。
「...おい、まき！顔！顔が死んでる。」
「あぁ！ごめんごめんちょっと取り乱しちゃって！ほらここね、2人を脅す悪役が大昇くんってのが無理がない？あんな爽やかな好青年にそんなこと...薄いわ、キャラ薄すぎ！」
「そうですか...？でも他にいなくて、」
「もっと探せば適任者がいるはずよ、無駄にガタイがよくてフツーに子供なんか泣いちゃうくらいの恐い顔...うーん、すごく近くにドンピシャな人間が...あ！」
まきさんが見た人と、龍斗くんと私が見た人は一致する。
「...え？」
お茶を飲んでいた照さんがきょとんとしている。
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
