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しばらく話していたAが、私を見た。
「なに?」
「あのね...写真、一緒に撮ってくれないかな?」
「は?」
「ごめん、どうしても典子と一緒にいるって確証が欲しいんだって。」
「何それ?」
「そうじゃないと心配で眠れないって...お願い!1枚だけ!!」
「しょうがないなぁ...もう寝間着姿なのに...」
「その方が瑞稀さん安心してくれる!!じゃあ、お願いします!」
Aと2人で撮った画像を瑞稀さんに送り、ようやく電話は終わった。
「ホントごめんね、こんな時間になっちゃった...」
電気を消し、横になるとAがぽつりと言った。
私はさっきからずっとモヤモヤしている。
「...よく分からないんだけど、これって普通?」
「え、何が?」
「いや、恋人同士って、こんなにも束縛するものなのかな?」
「束縛?」
「ごめん、束縛って言葉しか思いつかなかった...だってA、この頃ほとんど瑞稀さんといるでしょ?」
「うん...で、典子たちにも迷惑かけちゃってるよね。」
「いやいや迷惑だってほどじゃないの...でも瑞稀さん、私たちとAを遠ざけようとしてるのかなって。」
「ごめん...実は、私もよく分からない。」
「Aも?」
「だから初めての彼氏だから...一緒にいると優しいし、楽しい。でも、私が他のことを優先しようとすると悲しそうなの。そんな瑞稀さんを見たくないって思って...」
「...そっか。結局、瑞稀さんに惚れちゃってるんだね。」
「はい、そうみたいです。」
「なら、私も、龍斗くんも、何も言えないや。」
「え、なぜに龍斗?」
「いやいや!!龍斗くんだけじゃなくて、バンドのみんながね!しょうがない!しばらくボーカル抜きだなこりゃ。」
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Momanao(プロフ) - 華子さん» コメントありがとうございました!これからも頑張ります!! (2020年12月18日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
華子(プロフ) - 矢花くんの作品が読みたくて検索していたところ偶然見つけました。読んでみたら面白く、最初のシリーズから読破してしまいました。シリーズものでこんなに内容がしっかりしていて面白いものは久々でとてもワクワクしています。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月17日 12時) (レス) id: c812437f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Momanao | 作成日時:2020年10月11日 16時