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みんなで夕食をとりながら、家族に事情を説明する。
「左折だけで静岡から...龍斗くん、ある意味すごいよ。」
「でも無事にここにたどり着いてくれてよかった...みんな、お疲れ様ね。」
「やっぱりこれは富士山が守ってくれたんじゃない?」
私にとっては相変わらず呑気な家族の反応だ。
でも、怒られると思っていたらしい3人は驚いたあと、改めてご迷惑おかけしました!と頭を下げた。
「でね、どうにか無事に帰りたいんだけど...父ちゃん、」
「そうだな...今日の閉店待ってから、となるともう夜だな。よし、明日の朝イチに母ちゃんと一緒に送っていくとするか。」
「え、じゃあ仕込みは?」
「んなもんじいさんと閑也に任せるべ。な、閑也できるだろ?」
「じいちゃんもいらねーよ、仕込みぐらい俺1人でやるって。」
「バカ言うなよ?まだまだ修行中の学生に任せられっかよ。じいさんにしごいてもらえ。」
「じゃあ俺たちどこか泊まるとこ探し、」
「何言ってんの!!狭いけどウチに泊まっていって?」
「じゃあAは私の部屋でいいよね。」
「龍斗さんに猪狩さん、よかったら俺の部屋で泊まりませんか?」
閑也が男子2人に笑いかけた。
「みなさん...本当にありがとうございます。じゃあ、」
突然に龍斗くんのスマホが鳴る。
画面を見て、血の気が引く龍斗くん。
スマホを覗き見た猪狩が、頑張れと肩を叩いた。
「...もしもし、」
『おいお前!!何やってるんだよ!!!』
龍斗くんの耳から漏れる、大きな声。
...照さんからだ。
「うん...だから、ごめん...うん、それで...今、森口さんの...はい、ごめんなさい...それで...だから...すみません...それで...」
さっきから龍斗くんは正座してずっと謝り続け、事情を説明しようとするのだが、照さんのお怒りぶりはとんでもないようで、中々前に進まない。
父ちゃんが母ちゃんを突っつき、母ちゃんは龍斗くんのそばに座る。
そして龍斗くんは、母ちゃんにスマホを渡した。
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Momanao(プロフ) - 華子さん» コメントありがとうございました!これからも頑張ります!! (2020年12月18日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
華子(プロフ) - 矢花くんの作品が読みたくて検索していたところ偶然見つけました。読んでみたら面白く、最初のシリーズから読破してしまいました。シリーズものでこんなに内容がしっかりしていて面白いものは久々でとてもワクワクしています。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月17日 12時) (レス) id: c812437f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Momanao | 作成日時:2020年10月11日 16時