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「...は?」

「......」

「おいモリコ、俺言ったよな次の交差点右折って。」

「うん、言ってた。」

「ま、次!龍斗次の信号右折な。」



「......」

「は?龍斗聞いてる?てかモリコも松村も聞こえてるよな、俺の声!」

「うん、聞こえてますそんな大声。」

「龍斗くん、どうしちゃったの?」

龍斗くんは無言で結局左折専用レーンに入ってしまう。


「お前何やってんだよ!!反対行ってしまったじゃねーかよ!」

「猪狩とりあえずスマホのナビ修正!次どうするの?」

「ちょっと待てよ...おい、とりあえず車線変更だ!」




「......」

「うぉい!!!なんでまた左に曲がってんだよ!!龍斗お前バカか?!」

「え、ここどこなの?!」

猪狩と私がバタバタしているなか、Aがそっと龍斗くんに話しかける。

「龍斗...もしかして、右折、出来ない?」

「...恐くて無理。」

ハンドルをがっちり掴んだまま、龍斗くんはAの問いかけにうなずいた。

「マジかよ!!どーすんだよこれから!」

「と、とりあえず左折でどうにか行けるルートを探すしか...」

「ね、龍斗。どこかで停車できない?」

今度は首を横にブンブンと振る龍斗くん。

目はいつも以上にうつろになってしまっている。

私と猪狩は必死にスマホでルートを探し、Aは近くに停車できるスペースがないかウロウロと周囲を見ている。


「あ、ごめん!!」

突然に龍斗くんが大きな声を出した。

「何?!」

「龍斗!どうした!?」

みんなが前を見て、絶望する。

ハンドルを握った龍斗くんの目が、少し潤んでいる。

「ごめん...高速に、入っちゃった...」








「...この車、ナビはないけどETCは着いてんのかよ...」

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Momanao(プロフ) - 華子さん» コメントありがとうございました!これからも頑張ります!! (2020年12月18日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
華子(プロフ) - 矢花くんの作品が読みたくて検索していたところ偶然見つけました。読んでみたら面白く、最初のシリーズから読破してしまいました。シリーズものでこんなに内容がしっかりしていて面白いものは久々でとてもワクワクしています。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月17日 12時) (レス) id: c812437f0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Momanao | 作成日時:2020年10月11日 16時

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