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案内されたのは、倉庫を改装したという部屋。
「うわ...これ、照さんのですか？」
目の前には、カッコいいドラムセット。
「昔ハマってた時期があってね...でもしばらく使ってないんだよ、お恥ずかしいことに。」
「いえいえ、練習を持続するのってなかなか大変ですよね。」
「そうなんだよね、働きだしたらますます時間作れなくて...昨日ざっとチェックはしたから大丈夫かな？森口さん、座ってみる？」
「あ、はい！じゃあ...」
照さんに誘われ、ドラムセットの前に座る。
「どう？」
「はい...一通り調べてはきたのですが、えっと、これがフロアタムで、スネアドラム...」
「鳴らしてみる？」
後ろから声がしたので振り向くと、
「うわ！！あ、ありがとうございます...」
照さんがスティックを差し出してくれている。
トン、タン...
「大丈夫、遠慮しないでもっと叩いてみて。」
「は、はい！」
照さんが後ろで見守ってくれている中、恐る恐るスティックを振っていたのだが...
「へぇー、森口さん上手いよ！さすが吹奏楽部だね、リズム感いいし。」
「え、そうですか...でも、面白いです。楽しいです！」
「そっか、よかった(笑)。楽しいならすぐに上達するから！」
照さんが目がなくなるくらいの笑顔を見せてくれた。
「...ん？」
「どうしたの？」
「いや、バスドラムのペダルが...」
「調子悪い？」
「かもしれません。なんか変に固くて引っかかって...」
「ちょっと見せて？」
照さんが私の背後からドラムを覗き込む。
「ちょっと踏んでみて？」
「あ、はい...よっと、」
「もっかい、いい？」
「はい...ふんっ！」
思い切り踏み込むと、急にペダルが軽くなった。
「うわっ！！」
その拍子にバランスを崩した私は、椅子からこぼれ落ちる。
「...大丈夫？」
ハッと閉じていた目を開けると、すぐ近くに照さんの顔がある。
私は...私の身体は...？
背後から照さんにしっかりと抱えられていた。
体の後ろ側から感じます、しなやかな胸筋。
そして私の腕は...
照さんのたくましい腕に包まれている。
...みなさん、今までありがとうございました。
我が人生...悔いなし！！
「森口さん？え、森口さん！！」
照さんが私を呼ぶ声をぼんやり聞きながら、私はゆっくり目を閉じる。
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Momanao(プロフ) - 華子さん» コメントありがとうございました！これからも頑張ります！！ (2020年12月18日 22時) (
レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
華子(プロフ) - 矢花くんの作品が読みたくて検索していたところ偶然見つけました。読んでみたら面白く、最初のシリーズから読破してしまいました。シリーズものでこんなに内容がしっかりしていて面白いものは久々でとてもワクワクしています。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月17日 12時) (レス) id: c812437f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Momanao | 作成日時：2020年10月11日 16時
