18 ページ19
照さんの上腕二頭筋(5m先で翔太さんと談笑中)が私に語りかける。
"典子"
なんですか、照さん?
"俺には...君が必要なんだ"
...っえ?どういうこと、ですか?
"お前がいることで、俺はもっと強くなれるんだ"
...照さん、
"典子、ひとつになろう"
...は、はい!!
"典子、愛し"
誰かが私の肩をトントンとつついた。
...誰やねん妄想の邪魔したやつ!
これからが本番やっちゅーねん!!
「森口さん?」
「...はっ!!!!」
我に返った私の目の前には、不思議そうな顔をした照さん。
「大丈夫、ちゃんと食べれてる?はい、これも焼けたから。」
ニコッと笑ってお肉の入ったお皿を差し出してくれる。
「あ、はい!ありがとうございます...」
恐る恐る、お皿を受け取る。
「龍斗は何やってんだよ、初めて来てくれる友達を放ったらかしにして...ごめんね、1人にさせて。」
「いえ!とんでもないです...こちらこそ龍斗くんに甘えて図々しくお邪魔してしまって、」
「お邪魔なんかじゃないよ、こういうのは大勢の方が楽しいから(笑)。森口さん確か一人暮らしだったよね、地元はどこ?」
「あ、山梨です。」
「そうなの?俺も仕事でちょくちょく行くわ。で、いつも話題になるのが、」
「...もしかして、富士山が、」
「そう!富士山は静岡のものか山梨のものかってやつ(笑)。なんかさ、いっつもその話して、ちょっと険悪になることもあるのにさ、結局結論が出ないんだよね。」
「あー分かります。うちの店、あ、実家中華料理屋してるんですけど、時々お客さんがケンカしてますもん。」
「でしょ?で、森口さんはこの問題について、どう考える?」
「え...私、ですか?」
私の顔を覗き込む照さん。
いや...そんな瞳で私を見つめないで...
27人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Momanao(プロフ) - 華子さん» コメントありがとうございました!これからも頑張ります!! (2020年12月18日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
華子(プロフ) - 矢花くんの作品が読みたくて検索していたところ偶然見つけました。読んでみたら面白く、最初のシリーズから読破してしまいました。シリーズものでこんなに内容がしっかりしていて面白いものは久々でとてもワクワクしています。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月17日 12時) (レス) id: c812437f0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Momanao | 作成日時:2020年10月11日 16時