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振り向くと、1人の男子学生が微笑んでいた。

綺麗な人だ。
男子なのに可愛らしくて、繊細そうな感じ。
龍我くんや龍斗くんや...(あ、ごめん猪狩入れるの忘れてた!)とはまたひと味違うイケメンだ。

「あ、いや...そこのギターとベースを見てる2人の連れです。」

龍斗くんが応える。

「そう...そちらの女の子たちも?」

「あ、はい。ね、A?...って、A、どうしたの?」

さっきまでうるさかったAがボーッと立っている。

その男子学生は、ゆっくりとAに近づいた。

「初めまして...ギター研究会の井上です。君の名は?」

「...あ...松村A、です...」

「Aちゃんか、可愛い名前だね(笑)。」

「可愛いなんて...あの、井上さんのお名前は?」

「俺は井上瑞稀。瑞稀って呼んでよ(笑)。」

「はい...瑞稀、さん...」

え、もしかして...?
Aは明らかに舞い上がってしまっている。

「Aちゃんは、バンドに興味ある?」

「はい!楽器は出来ませんが...」

「大丈夫だよボーカルやったら?いい声してるから。」

「いい声、してますか?...はい!ボーカル、します!」

「じゃあ、とりあえず入部届、記入しようか?」

「はい...」

井上さんに誘われるがまま、ペンを握るA。

「あ、A待って!」

「A!よく考えろって!」

「へ?」

龍斗くんと私の声に反応するAに、井上さんはたたみかける。

「Aちゃん、大丈夫だよ...ほら、見てごらん?君の友人も2人サインしてるよ。」

「あ...アイツら。」

井上さんの指さす先には、ギターとベースの前で入部届を書く龍我くんと猪狩。

「工学部の松村Aさんね...ようこそ、ギター研究会へ。」

龍斗くんと私の呼びかけも虚しく、Aは入部届にサインしてしまった。

「さぁ、君たちはどうする?」

「あ、瑞稀さん!この人、岩本龍斗くんはキーボードやってました!使えます!」

「おい!余計なこと言うな!」

「そうなんだ...で、彼女は?」

「この子は、中高と吹奏楽部でした!トロンボーン吹いてました!!」

「うーわ!話すんじゃなかった...」

「女子でトロンボーン...カッコイイじゃん(笑)。」


数十分後。

「ごめんね森口さん...」

「ううん、龍斗くんが謝ることないよ...」

意気揚々と歩く龍我くんと猪狩とAの後ろを、のろのろ龍斗くんと歩く。

「とりあえず、お互いサークルでもよろしくだね...」

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Momanao(プロフ) - 華子さん» コメントありがとうございました!これからも頑張ります!! (2020年12月18日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
華子(プロフ) - 矢花くんの作品が読みたくて検索していたところ偶然見つけました。読んでみたら面白く、最初のシリーズから読破してしまいました。シリーズものでこんなに内容がしっかりしていて面白いものは久々でとてもワクワクしています。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月17日 12時) (レス) id: c812437f0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Momanao | 作成日時:2020年10月11日 16時

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