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「オタクら、この青年の上司か何か?あらあら、市役所職員が寄ってたかって民家に押し入ってやりたい放題...これ、マスコミが知ったらどうなるかなぁ。」
「うわ、コイツら最悪。」
「だな!」
男たちの言葉に反応する龍斗さんと俺を制し、猪狩さんが返事をする。
「でもこのガラス、割ったのそちらですよね?これは立派な器物損壊では?」
「え、知らないなぁ。なぜ私どもがやったことに?何か証拠でも?」
「証拠なら、あります!」
奥の部屋のドアが開き、Aちゃんがきよさんのスマホを握りしめ立っていた。
「Aちゃん...」
「出てきちゃダメだって...」
Aちゃんは皆の前に立ちはだかる。
「ここに、あなた方が来られてからの一部始終を録画しています。今から警察にこれを見せれば、」
「え、いや、今から...?それは、」
途端に慌て出す男たち。
「今日はどうぞお引き取り下さい。ここでこれ以上の騒ぎを起こせば、自治会の方々も不審に思われるんじゃないですか?今日は、このままお帰り下さい。」
スマホを握る手は、小さく震えている。
でも、Aちゃんは毅然と言い放った。
「...分かりましたよ。でも、七瀬さん、また来ますよ。」
ぶつぶつ言いながら、床に散らばった傘を踏みつけ、男たちが帰っていった。
途端にその場に座り込むAちゃん。
「Aちゃん...」
「きよさん...」
きよさんに飛びつくAちゃん。
「ごめんなさい...勝手に出てきて...」
きよさんはゆっくりAちゃんの頭を撫でる。
「こちらこそ、ごめんね...怖い思いさせて。」
「ううん、こちらこそごめんなさい...何も、出来なくて。」
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Momanao(プロフ) - ふゆさん» 手放しで褒めて頂いて申し訳ないくらいうれしいですー!!!こういうちょこっとした裏ネタをこれからもちょいちょい入れていくつもりなので楽しみにしてて下さい笑 (2020年2月16日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - Momanaoさん» プロの作家さんなんじゃないかって思うくらいですよ!今回の話、松村先生に助けてもらったのが女の子ということは…自転車を返しにきた時に目黒くんとぶつかりかけたのもその女の子ですよね?細かい繋がりに気付くたびになんだかキュンキュンしちゃいます笑 (2020年2月16日 19時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございますぅぅ!!!!!いろいろ繋がりを持たせたいと思って書いてるんですが、時々忘れて私も読み返してます。細かいところまで気付いてくださってるんですね!!とてもうれしいです!! (2020年2月16日 16時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 1話からずっと読ませていただいています!色んなところが繋がっていてとても面白いです。これからも楽しみに読ませていただきます! (2020年2月16日 15時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Momanao | 作成日時:2020年2月3日 2時