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「目黒くん、ソロデビュー、おめでとう。」
「...1人で行ってこい、ということですね。」
「うん。困ったことがあったら、いつでも連絡して?」
巡回業務を1人で任されることになった。
相棒の自転車に乗り、軽やかに走らせる。
龍斗さんに教えてもらった通り、設備を一つ一つ点検し、リストにチェックを入れていく。
いつもの公園に向かう。
そつなく点検を済ませ、帰り支度をする。
「あ、蓮ちゃん、お疲れ様。」
「きよさん...どうしたんですか、これ?」
家の前には、大量のゴミが散乱していた。
「ごみ収集車が、落としていったのかしらね?」
「違うでしょ、明らかに誰かが故意に散らかしたんですよね?」
「まぁ、どちらにしても早く片付けないと。」
きよさんはそう言うと、ゴミを拾い始めた。
「俺も手伝います。」
「大丈夫よ蓮ちゃん。このくらい1人でやっちゃうから。」
「いいえ、大丈夫じゃないです。手伝わせて下さい。」
半ば強引にゴミ袋を引き受け、一緒に片付ける。
出来上がったゴミ袋は、3袋にもなった。
「蓮ちゃん、どうもありがとう。助かったわ。」
帰ろうとした俺を、きよさんはいつものように引き止め、お茶を出してくれた。
俺の前に座るきよさんは、いつもより疲れているようで、何だか小さく見える。
「きよさん、もしかして体調悪いですか?」
「え、あ、大丈夫大丈夫。ただちょっと疲れただけよ。」
「大丈夫ですか?」
「うん、疲れたみたい、1人でここで暮らすのが。」
「...どうしたんですか?何かありましたか?」
「龍ちゃんに、Aちゃんに、蓮ちゃん。そしてこの間は猪狩ちゃんまで...若くて頼もしいあなた達に優しくしてもらって、助けてもらって、どうにか今までやってこれたけど、もうこれ以上迷惑かけられない。...そろそろ潮時かしらね。」
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Momanao(プロフ) - ふゆさん» 手放しで褒めて頂いて申し訳ないくらいうれしいですー!!!こういうちょこっとした裏ネタをこれからもちょいちょい入れていくつもりなので楽しみにしてて下さい笑 (2020年2月16日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - Momanaoさん» プロの作家さんなんじゃないかって思うくらいですよ!今回の話、松村先生に助けてもらったのが女の子ということは…自転車を返しにきた時に目黒くんとぶつかりかけたのもその女の子ですよね?細かい繋がりに気付くたびになんだかキュンキュンしちゃいます笑 (2020年2月16日 19時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございますぅぅ!!!!!いろいろ繋がりを持たせたいと思って書いてるんですが、時々忘れて私も読み返してます。細かいところまで気付いてくださってるんですね!!とてもうれしいです!! (2020年2月16日 16時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 1話からずっと読ませていただいています!色んなところが繋がっていてとても面白いです。これからも楽しみに読ませていただきます! (2020年2月16日 15時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Momanao | 作成日時:2020年2月3日 2時