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ふてくされて突っ立っている俺の前を、女の子のグループが通りかかる。
どうせチラ見して素通りだろ?
そっぽを向く。
「え、近づいても平気なの?A!」
ん?
...A?
声に反応して振り向く。
女の子たちの中に、見慣れた姿があった。
「こんにちは。新しいゆるキャラさんですね。」
Aちゃんがゆっくりと俺に近寄ってくる。
「ねぇー、怖くないの?」
「A、大丈夫?」
「全然。よく見ると愛くるしい顔してるよ。ねぇ、みんなもこっちおいでって。」
「えー、そうなの?」
Aちゃんの呼びかけで、恐る恐る友達が集まってくる。
しばらく見つめ合う女子たちと俺(ゆるキャラ)。
「...いやいや普通に怖いわ。」
「...そうだよね。だいたい大きすぎない?」
「ねぇ、向こう行ってみよ、フリマやってるし。」
立ち去る友達に「ごめん、先に行ってて。」と1人残ったAちゃん。
「そんなに怖いかなぁ?私はなぜか親近感わいちゃってるんだけど...あの、握手してもらってもいいですか?」
へ、あ...どうぞ。
差し出した真っ黒な手をAちゃんは嬉しそうに握った。
「初めまして...なんだけど、なんだか前にも会ったことあるような、変な感じ。ま、いっか。写真も撮っていいですか?」
ぶんぶんと大きな頭で頷く俺を見て、よかった!とスマホを取り出した。
「あ、すみません!写真撮って下さい!」
走っていったと思ったら、1人の男の人とやってきた。
...ぶ、部長じゃ、ないですか...
「はい!あ、もうちょっと近づいちゃう?」
「はい、これでいいですか?」
うわ!
俺の中にすっぽり収まるAちゃん。
いつもはするりとかわされてしまってるのに。
「おっけー。はい、チーズ!!」
「ありがとうございました!」
Aちゃんと初めてのツーショット。
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Momanao(プロフ) - ふゆさん» 手放しで褒めて頂いて申し訳ないくらいうれしいですー!!!こういうちょこっとした裏ネタをこれからもちょいちょい入れていくつもりなので楽しみにしてて下さい笑 (2020年2月16日 22時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - Momanaoさん» プロの作家さんなんじゃないかって思うくらいですよ!今回の話、松村先生に助けてもらったのが女の子ということは…自転車を返しにきた時に目黒くんとぶつかりかけたのもその女の子ですよね?細かい繋がりに気付くたびになんだかキュンキュンしちゃいます笑 (2020年2月16日 19時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございますぅぅ!!!!!いろいろ繋がりを持たせたいと思って書いてるんですが、時々忘れて私も読み返してます。細かいところまで気付いてくださってるんですね!!とてもうれしいです!! (2020年2月16日 16時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 1話からずっと読ませていただいています!色んなところが繋がっていてとても面白いです。これからも楽しみに読ませていただきます! (2020年2月16日 15時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Momanao | 作成日時:2020年2月3日 2時