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Aちゃんから、約束していた本を渡したいとLINEがきた。
またもや駅前のカフェで待ち合わせる。
いいお天気だからか、それとも前回長居してしまったのをお店の人がいい迷惑に思ったのか、今日はテラスの席に案内される。
メニュー表を2人で見る。
「もしかして...また？」
「はい、パンケーキ、食べます！目黒さんは？」
「あー、俺はもういいかな...」
「あ、新メニュー、出てます！豆大福セットですって！！しかも抹茶付きですよ！」
「分かった(笑)。じゃあ、それで。」
店員さんに注文を済ませると、Aちゃんはバッグを探っている。
「忘れないうちに...これ、どうぞ。ちょっとボロボロで恥ずかしいんですけど...」
差し出してくれたのは、中原中也の詩集。
「わざわざありがとう。じゃあ早速...ねぇ、"ゆよーん"は？」
「それは"サーカス"ですね。」
「サーカス、サーカス...あ、あった...ホントだ、ブランコの音なんだ。」
「そうなんです、面白い表現ですよね。で、もう少しページ進めてもらったら、目黒さんが言ってた、」
「汚れちまった悲しみに？」
「はい。読んでみて下さい。」
しばらく詩を読み進める。
そしてハッと我に返る。
...いつの間にかAちゃんが椅子を俺の横に動かし、一緒に本を読んでいた。
俺の邪魔にならないように、そっと脇から読んでいる。
ふわっと、耳にかけていた髪が落ちた。
でもAちゃんは、そのまま本から目を離そうとはしない。
俺は、その髪、そして頬に触れたくて手を伸ばす。
"お待たせしましたぁ！"
「あ！目黒さん、来ましたよ！！」
店員さんの登場と共にガタガタと椅子を戻すAちゃん。
俺は目的のなくなった手を、何事もなかったかのように引っ込める。
「うわー、豆大福セットも美味しそうですね！」
「いやいやこんなデッカイ豆大福が2つもくるとは...ねぇ、よかったら1つ、食べる？」
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Momanao(プロフ) - ふゆさん» 手放しで褒めて頂いて申し訳ないくらいうれしいですー！！！こういうちょこっとした裏ネタをこれからもちょいちょい入れていくつもりなので楽しみにしてて下さい笑 (2020年2月16日 22時) (
レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - Momanaoさん» プロの作家さんなんじゃないかって思うくらいですよ！今回の話、松村先生に助けてもらったのが女の子ということは…自転車を返しにきた時に目黒くんとぶつかりかけたのもその女の子ですよね？細かい繋がりに気付くたびになんだかキュンキュンしちゃいます笑 (2020年2月16日 19時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
Momanao(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございますぅぅ！！！！！いろいろ繋がりを持たせたいと思って書いてるんですが、時々忘れて私も読み返してます。細かいところまで気付いてくださってるんですね！！とてもうれしいです！！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: a8ed6fc393 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - 1話からずっと読ませていただいています！色んなところが繋がっていてとても面白いです。これからも楽しみに読ませていただきます！ (2020年2月16日 15時) (レス) id: 5070e82f4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Momanao | 作成日時：2020年2月3日 2時
