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焼肉店を出る。
「ご馳走様でした。」
「いえいえ、美味しかったね。」
「はい。もうお腹いっぱいです。」
駅に向かって歩いていると、Aさんが立ち止まる。
「どうしました？」
「パフェ、食べたい。」
視線の先には、お洒落なカフェ。
「え、まだ食べるんですか？」
「はい、甘いものは別腹なので。行こ？」
Aさんに腕を引かれ、カフェに入る。
「Aさん...太りますよ？」
「だよね...分かってるんだけど、今日だけ見逃して？あ、岸くんさくらんぼ食べないの？」
「食べたいんですね、どうぞ。」
「ありがとう(笑)。」
お会計、レジの壁に貼られた花火大会のポスター。
実は、一緒に行きたいなと気になっていた。
思い切って、誘ってみようか。
「Aさん、これ」
俺の指差すポスターを見たAさん。
「ん？あ、花火大会あるんだね。」
「はい。」
「どれどれ、今月末の土曜日かー。うん、私ばっちり休みじゃん。行けちゃうねぇ。どうしようかな...あ、岸くん、ちなみになんだけど、その日の予定は？」
え、もしかして、誘ってくれてる？
とーっても嬉しいんですけど、誘い方、変じゃないですか？
本当は俺からカッコよく誘いたかったんだけど。
まぁ、いいか。
「はいはい、行きます。」
「え、私と一緒じゃ嫌ですか？」
「いえいえ、とんでもない！誘って頂いて光栄です。」
「そう？ありがと！」
にっこり笑うAさん。
...もう本当に、今日1日何度その笑顔に心撃ち抜かれたことか。
Aさん、ダメだよ。
そんなに無邪気に笑ったら。
メロメロになる男は、俺だけじゃないと思うよ。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
