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(優太Side)
こうしてまたAさんと連絡を取りあうようになり、完全復活した俺は追試なしで試験を乗り切り、夏休みに突入した。
今日も1人でのんびり素麺を食べていると、AさんからLINEが。
"ボーナス入りました!!"
...時々、変なこと言ってくるよね。
"よかったですね。"
"今年は、ボーナスを有効に使いたいと思ってます。"
"そうですか。"
"決めました!焼肉食べ放題に行きます!!"
それが、有効な使い方なのか?
面白いなぁ。
"そうですか。行ってらっしゃい。"
"岸くんも行くから。"
"え、俺も?"
"うん。女1人で焼肉食べ放題なんて、ひかれるじゃん。"
"誰にですか?"
"店員さんとか、隣のテーブルの人とか...お願い!人助けだと思って、付き合って!!"
お願いだなんて...俺こそ願ったり叶ったりなのに。
"了解です。お供します。"
今度は焼肉デートか...これはもうかなり進展しちゃってるカップルのデートプランじゃね?
...はいすみません。
調子乗りました。
カップルどころか、完全に俺の一方通行です。
そして約束の日、焼肉店にて。
あーあ、でましたこの顔。
美味しいんだね。
目を閉じて、空を見上げカルビを食べております。
相変わらず可愛くて、キュンキュンしてしまいます。
「岸くんも食べてる?」
「あ、はい。食べてます。あの、」
「ん?」
「ボーナスって、他に使い道なかったんですか?」
「え、何?」
「例えば、旅行行くとか、ちょっとお高いバッグ買うとか...」
「...それもそうだね。」
「気づくの遅くないすか?」
「まぁ、でもこうやって、岸くんと2人で美味しいもの食べれて...うん、幸せだよ。」
...幸せ。
俺と、食べれて、幸せ?
ねぇ、無意識に言ってるの?
それとも、何か意味があって?
にっこり笑いかけてくる、Aさん。
...Aさん。
あなたの存在は罪です。
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作者名:Momanao | 作成日時:2019年9月8日 23時