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「お腹、空いてない？」
「あーそうだね。」
「何か作るよ。ちょっと待ってて。」
「ねぇ、今日はどこか食べに行かない？」
「え？」
いいの？2人で出掛けても。
「何、食べたい？」
「え、あ、うーん...」
「とりあえず、出掛けよう。」
伊野尾さんは私を助手席に乗せると、車を走らせた。
「あの、いいのかな？」
「何が？」
「いや、一緒に出掛けたりして、」
「たまにはいいよね。外で食べるのも。」
「...そうかな。」
「うん。でさ、」
「はい？」
「今日、泊まっていって、いい？」
「へぇ？！」
突然思いもよらない言葉を聞き、驚きを隠せない。
「なに、ダメなの？」
「いやいや...おうち、大丈夫なのかなって。」
「大丈夫。Aが心配しなくてもいいから。」
「いいえ、心配します。」
「だから大丈夫だって！...俺の出張にあわせて、実家帰ってるから。」
あ、そういうことなんだ。
「そうなんですか。なら...」
「俺さ、今週末フリーなの。自由にできるわけ。だからさ、今日も明日も明後日もAのために使いたいと思って。Aがやりたいこと、全部付き合う！何でもワガママも聞くから言って？」
さっきからいろんなことが突然すぎて、頭が回らない。
私がやりたいこと...
伊野尾さんと一緒にやりたいこと...
「ねぇ、何したい？あ、どこか行く？運転するよ？」
ハンドルから片手を離し、私の手を握る伊野尾さん。
「危ないからちゃんと両手で運転して？...じゃあ、とりあえず、ラーメンが食べたいです。」
「いいねぇ！！餃子も食べちゃおう！」
「はい(笑)。」
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
