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(ASide)
金曜日。
結局、有岡さんや知念くんも加わり、10人越えの大人数でカラオケに行くことに。
盛り上がってます。
皆、楽しそうです。
私は、というと...
知念くんと2人、先輩方の飲み物を気にしたり、曲をせっせと予約したり、ご希望によっては、タンバリンやマラカスを鳴らしてみたり...
正直、全然楽しんでません。
何で、来ちゃったんだろう...
ちらっと伊野尾さんを見る。
あーあ、女の子たちに囲まれ、嬉しそうだ。
え...酔ってる?...よね?
あら、こんなにお酒、飲めちゃう人だったの?
伊野尾さんの前に、次々と置かれるアルコール。
次々と空けていく。
あ、知念くんに絡んでる。
大丈夫かなぁ。
「Aさんも歌ったら?」
ソファーの隅に座っている私の隣に、有岡さんが座る。
「今日、Aさんも来るって聞いてびっくりしたよ。飲み会に参加するのなんて久しぶりなんじゃない?俺となんて、来たことあるかなー?」
「あ、そうかもしれません。あの、」
「ん?」
「...伊野尾さんて、あんなに飲める人なんですか?」
「いのちゃん...?あー、今日は確実に飲み過ぎだねアレは。」
「ですよね。」
「ん?何で?いのちゃんのこと、気になる?」
「へ?...あ、いえ!何だか会社での印象とはずいぶん違うなーって。」
「そうだね。いのちゃんのこんな姿見たら、びっくりするよね(笑)。ね、何か歌いなよ。」
「いえ!私は...あ、そうだ!有岡さん歌って下さいよ!!そうだな...メドレーとか、歌っちゃいます?」
リモコンでアニメのメドレーを予約し、マイクを渡す。
「え、俺?また歌うの?」
「はい、お願いします(笑)。あの、私ちょっと出ます。すぐに戻ります。」
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作者名:Momanao | 作成日時:2019年9月8日 23時