No road is long with good company 初恋編1 (ページ4)

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(ASide)

「え？」

「だから、どうぞって！」

自分の着ていたパーカーを差し出す好青年。

「いやでも悪いよ、」

「いいえ！風邪引きますから！！」

私の手に"はい！"とパーカーを握らせた。

「...じゃあ、遠慮、なく。」

「はい。どうぞ(笑)。」

少年のようなあどけない顔が、パッと花が開いたように笑顔になる。

公園をあとにし、駐輪場の前。

「あの、名前、」

「え？」

「それと、連絡先、教えて？じゃないと、これ、返せない。」

着ていたパーカーをつんつんと引っ張る。

「あ、そうでしたね。」

と、スマホをポケットから出している。

私も慌てて、バッグからスマホを取り出し、ふるふるする。

「岸優太...岸くんね。」

「はい、あの...Aさん？」

「うん。AAです。よろしく。」

「こちらこそ。じゃ、俺はここで。失礼します。」

「どうもありがとう。じゃあ、また連絡します。」

爽やかな笑みで、ぺこりと頭を下げて自転車に乗った岸くん。

でも、乗った瞬間、激チャりして帰っていった。

...あぁ、ホントは早く帰って、家で寝たかったんだろうな。

何だか、悪いことしちゃったな。

でも、お日様の下、誰かと朝ご飯、食べたくなっちゃったんだよね...

ごめんね、岸くん。付き合わせて。

時計を見ると、お昼を過ぎていた。

さぁ、残りの休日、何して過ごそうかな？

大きく背伸びをして、私も帰路に着く。