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(ASide)
お祭りなんて何年ぶりだろう。
休日、いつものようにカメラを持って散歩していると、たまたま通りかかった神社。
まだゴールデンウィークなのにめずらしい。
夏祭りみたいにたくさん屋台が並んでいる。
人混みをかき分けながら、奥の境内を目指して歩く。
20分ほど歩いたのかな、人がまばらになり、境内が見えてきた。
せっかくだからお参りしていこう。
そう思って進んでいくと...ん？
近くの池で、小さな子供が1人でしゃがみこんでいる。
しかも結構身を乗り出していて、ちょっとバランスを崩したら落ちてしまいそうだ。
危ないな。
もしかして、迷子なのかなぁ？
びっくりさせないようにゆっくりとだんだんとしゃがみながら、その子に近づいていく。
A「...ねぇねぇ、何してるの？」
その子が振り向く。
涼しげな顔の男の子。
「えぇ？うーん...わかんない。」
A「...分からない？じゃあ、お父さんとお母さんは？」
「しらない。」
A「えっ？...じゃあ、どこから来たの？」
「あっち！」
男の子が指差したのは...境内の裏の茂み。
絶対違うよね。
どうしよう。
とりあえず社務所に連れて行ったほうがいいのかな、
って！！
A「あぶなっ！！」
もっと池に身を乗り出した男の子。
慌てて抱きかかえる。
「ぶちょー！！」
A「ぶちょー...？」
男の子が指差した先には、池の中で優雅に泳いでいる金色の鯉。
「こっちはふっか！！ふっかー！！」
またもや指差す先には頭に黒い模様がある鯉がのろのろ泳いでいる。
A「おさかな好きなの？」
「うん！」
A「あ、じゃあ、これは誰？」
ちょうど近くにやってきた鯉を指差してみる。
「これはしょーた！」
A「しょーた？」
「けーたのパパのしょーた！！」
A「...けーたくんって、言うんだね。」
そういや聞いてなかった。
君はけーたくんなんだ。ていうかパパいるのね！
A「ねぇけーたくん。パパ心配してるよ。一緒に探しに行こう？」
慧多「いや！おさかなみる。」
...そうなのね。
いっか。
変に動くよりかはここで待ってたほうがいいかもしれない。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年6月29日 18時
