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その日は高熱に冒され、ずっと眠っていたらしい。
目が覚めると、まきさんが私の顔を覗き込んでいた。
まき「気分どう？熱、下がったかな？」
私のおでこに手を当てる。
まき「よかった。熱は下がってる。何か食べてみようね、ちょっと待ってて。」
まきさんが部屋を出ていく。
ゆっくり起き上がり、窓の外を見る。
じゅんこさんお手製の卵雑炊を頂く。
温かくて、美味しい。
いつの間にか寝間着に着替えてあり、私の服は洗濯してもらったのだろう、綺麗に畳まれている。
A「まきさん、ありがとうございます。これ、」
まき「あ、大丈夫よ。私とじゅんこさんで着替えたから。男達には見せてない(笑)。」
A「何から何まですみません、ご迷惑ばかりかけてしまって。」
まき「...あのさ、Aちゃん。アナタ真面目過ぎ。」
A「そう、ですか？」
まき「うん。もっとゆるく考えたんでいいんじゃない？全部自分で決めて、全部1人で頑張ってたら絶対潰れちゃう！なんか嫌だなーとか、困ったなーって思うことがあったら、"私、無理でーす！お願いできますかぁー？"てニコニコしてたら誰か何とかしてくれるって。」
A「え...それはちょっと、」
まき「特にAちゃん可愛いんだからさ、黙って困った顔してるだけで男どもがいくらでも助けてくれるよ。」
A「いやいやそんなことは、」
まき「アリだって！岩本家の男達必死だったんだから！！岸くんもりゅーとも数分おきに電話かけてるし、カズユキさんとしょーたは本気で捜索願頼もうとしてたんだよ？兄ちゃんだって、あ！」
A「へ？」
まき「兄ちゃん、怒鳴ったりしてごめんね。でも、Aちゃんのこと本気に心配して何かしたいって、だけど出来なかった憤りをどうにも抑えられなかったんだよ、不器用な男だからさ。まぁ、見た目はアレだけど、悪いヤツじゃないからさ、許してやって？」
A「許すなんて...私が全部悪いのに。」
まき「またまたそんな深刻な顔しないの！ね、男どもに会ったら"ごめんなさぁい、ありがとうございますぅ"ってニッコリ笑ってりゃいいからね！」
A「...本当にそれで大丈夫なんですか？」
まき「もちろん！！私が若い時に使ってたワザだから(笑)。」
まきさんはいろんな話をしてくれた。
私が少しでも元気になるように。
いっぱい笑った。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年6月29日 18時
