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〜 motoki side 〜
"ちょっと出かけてくる!すぐ戻るから!"
って出てから1時間以上経ってるんだけど。
どこ行ったんだよ…携帯繋がんないし……
イライラと不安で携帯を持つ手が震える。
誘拐、とか嫌なことに巻き込まれてる風にしか考えられない自分に腹が立ってソファに携帯を投げつけた。
……なにやってんだろ、
「…駄目だな、俺……」
物に当たったって何も変わらない。
「くっそ…」
落ち着け…絶対大丈夫だから…
今…8時18分……あと30分して帰ってこなかったら探しに行こう。
おばさんが出張に行く前に"これから長い期間になるけど、Aのことよろしくね"って頼まれたんだ。
俺はAの保護者だから。親だから。お兄ちゃんだから。
小さい頃からずっとAを一番傍で見守ってきた。
だから俺が守ってやらないといけないんだ。
せめて、Aを一番に想ってくれる人が現れるまでは。Aが本当に好きな人と一緒にいられる日が来るまでは。
腕時計を見て、携帯で時間を見て、壁時計を見て…という無意味なことを何度も続けてた。
A「ただいま…」
「A?!?!」
怪我をしているんじゃないか、と慌ててリビングを飛び出す。
A「ど、どうしたの…?」
何も、ない…?大丈夫、だよな…よかった…
「どうしたの、じゃないだろ!!どこ行ってたんだよ!!!」
つい怒鳴ってしまった…
本当は抱きしめたい。でも、言葉が先に出てしまった。
A「えっ…と……公園、です…」
「…何してたの。」
A「シルクと、話してた……」
「…ちょっと出かけてくる!って言って、場所も何しに行くかも言わずに出て行って1時間以上帰ってこないってどういうこと?しかも夜に」
自然とため息が出た。
A「ごめん、なさい……」
「電話も出ないしさ」
A「ご、めん…」
「…ごめんで済んだら警察いらないの。わかる?」
あぁ…駄目だ。酷い言い方しかできねぇ…
「ほんとに…どんだけ心配したと思ってんだよ……ご飯置いてあるから。俺もう風呂入って寝る…」
この空気に耐えられなくなって、風呂へ逃げた。
風呂で頭を冷やしてから部屋に戻る。
しばらくして部屋の前で声がした。
A「…モトキくん、?」
A「心配かけてほんとごめんなさい…次からは気をつけるようにします。…おやすみ、また明日ね。」
Aはちゃんと反省してるのに、怒鳴ったままで終わらせてしまった…明日、謝んないとな…
「…おやすみ、」
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ゆり(プロフ) - いつも何回も見てドキドキを貰ってる!続きを早く読みたい!!更新頑張って!!! (2019年2月17日 20時) (レス) id: cf54931ea1 (このIDを非表示/違反報告)
優奈(プロフ) - 初めて読みました!続きみたいです!これからも頑張ってください! (2018年8月24日 22時) (レス) id: 799f064f74 (このIDを非表示/違反報告)
あやっち - 初めて読みました!マサイ,シルクファンにはたまらない作品です!更新頑張って下さい! (2018年3月13日 1時) (レス) id: 51ec3def0b (このIDを非表示/違反報告)
矢吹奈子(プロフ) - s u i _ 。さん» ありがとうございます!これからも頑張ってください(o^^o) (2017年8月27日 1時) (レス) id: 3b4e53296a (このIDを非表示/違反報告)
s u i _ 。(プロフ) - 矢吹奈子さん» ありがとうございます…!!お返事遅くなり申し訳ございません!主人公とシルクさんは両想いだけど、お互い片思いだと思い続けていて、主人公はまだシルクさんを好きでいてはいけないと思っているから。という感じですかね…分かりにくくてすみません(;´Д`) (2017年8月26日 23時) (レス) id: cca6ca5d53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sui_。 | 作成日時:2017年3月20日 21時