7日間彼氏。 【Fischer's】【マサイ】

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〜 masai side 〜

「どっちだっけか…」

家出てすぐ迷うとか…方向音痴かよ…

携帯を取り出し、マップを開く。

「えーっと…」

お、案外近いじゃん。

どこかは…後ほど。

これからの予定とか考えてたら、あっという間に目的地に着いた。

お洒落な感じの店だから緊張すんだよな…

『いらっしゃいませー』

店員さんに軽く頭を下げ、店を見回す。

『これからデートですか？』

「え…？」

びっくりした…((

『お兄さん、すごく楽しそうな顔してますよ笑』

まじか…恥ずかしっ…

「えっと…あの……デート、です、」

…なんでこんなにカタコトなんだよ……((

『やっぱり笑 もうなに渡すか決めてるんですか？』

「あ……向日葵、を…」

…わかった、よね？ここ花屋さんです。

『向日葵ですね。一番綺麗なの選んできます。』

店員さんは微笑んで奥のショーケースの方に歩いていった。

しばらく待っていると、1本の向日葵を持ってきてくれた。

…Aちゃん、喜んでくれるかな。

会計のとき、また店員さん声をかけられた。

『向日葵の花言葉、知ってますか？』

「花言葉、ですか…？」

向日葵は聞いたことないな……

『私はあなただけを見つめる、ですよ。』

ぴったりですね、なんて言って手際良くラッピングする店員さん。

『ありがとうございましたー』

向日葵を受け取って、店を出る。

やべ、結構時間かかった…

足早にAちゃんの家へ向かう。

だんだんはやくなってく心臓の鼓動と一緒に、進める足もはやくなる。

Aちゃんの家が見えてきたくらいから、1秒も無駄にしたくなくて走り出した。

風で向日葵の花が崩れないように片手で覆う。

それでも花が崩れてないか気になったから、チラチラ見て確認しながら走った。

早く会いたい。

今の気持ちに勝てるものはないくらい、会いたい気持ちが強い。

家の前で立ち止まって、チャイムを鳴らす。

と同時にドアが開いた。

驚いてない俺を見つめるAちゃん。

「ありゃ…ちょっと遅かったか。」

もうちょっと早く家出りゃよかったな…

A「えと、あの…」

「迎えに行こうと思って。あと…俺と、付き合ってくれてありがとうって伝えたくて。」

戸惑うAちゃんに向日葵を差し出す。

A「向日葵…」

「Aちゃんの絵、綺麗だったから。」

…やっぱり恥ずかしいな、これ…

A「ありがとうっ！！」

嬉しそうに笑う君は、向日葵よりも綺麗だよ。

いつか、必ずそう伝えよう。

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