距離8 ページ8
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沈黙の雰囲気が1番苦手な私の心臓は今、鼓動が速くなりつつある。
目の前でパフェを食べる五条先輩の顔は若干赤い。
五条先輩、流石にそんな事されると本気で勘違いしちゃいますって。
結局そのあともある程度の会話をするも、ほぼ無言の状態。
五条先輩が私の分まで会計を済ませた後高専に戻った。
部屋に戻った私は、即座にベッドに飛び込んだ。
五条先輩はキスじゃなくて口に付いたクリームを取ってくれたんだよね?
あの時の壁ドンと言い、今回のキスと言い、何が起きてるんだ。
まさか最終的には五条先輩と結ばれてしまうのか…!?
『五条先輩にどんな顔して話せば良いんだよぉ〜〜!』
「あれれ、可愛い後輩ちゃんが悩み事してる。なに、五条がどうしたの?」
『私五条先輩とさっき..ってうわああっ!?家入先輩!?』
「さっきから何度も部屋のドアノックしたのに気付かないから。
それでAも五条の事で何か悩み事でもあんの?」
悩み事というよりは、あれは、あれは...
でも家入先輩にさっきの出来事なんか話せる訳無いじゃんかよ!!
こういう場合は嘘ついて五条先輩と喧嘩した、とかいう方が良いのかな。
「因みに五条も今Aと同じ状態だよ。
五条は馬鹿だからさぁ、今日の出来事をペラペラ話してくれたんだ。
さっきのAが可愛過ぎてキスしちゃったって。」
『家入先輩、私五条先輩とはそういう関係じゃないですよっ!』
「でも最近のお二人さんは随分仲良さげで距離近いもんね〜。」
『距離が近いとかじゃなくて五条先輩が距離を縮めてくるので...』
「Aは自分自身気付かない部分があるかもだけど、
五条と会話する時のAは何時も楽しそうな笑顔を浮かばせてる。
それは勿論五条も同じ。
最近の五条は恋に悩む男、その原因はAにある。」
『まさか五条先輩私の事好きなんですか...?』
「五条は何時もAの話題を振ってくるんだよね。
五条が此処まで女の子に夢中になる事無かったのになぁ、
今度距離を一気に詰めるために旅行でも行っとく?」
『それは流石にダメでしょ。』
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時