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1時間後、夏油先輩が無事任務から帰ってきた。
報告書を提出した後家入先輩と共に喫煙場所に向かって行った。
暫く暇な時間が出来た私は、意味無く校舎内を散歩。
2年の教室前を通り過ぎようとした途端、教室内に五条先輩と里穂が居た。
何やら雑談中である様子だったのに..
──────里穂は五条先輩に【キス】をした。
覗き見する気は最初から無かった。でも、何故か複雑な気持ちだった。
私と目線が合った里穂は、勝ち誇った様な表情を浮かべていた。
どうやら今の私に勝ち目は無いらしい。
あのクソ白髪野郎も私が居るんだから女の誘いなんか断れよ。
何で、何で私が転校生如きに悔しい気持ちにならないといけないの?
本当、あの泥棒猫の顔面に1発殴りを入れたい気分。
男は女に手を出せば最低なんて言われるけど、
女が女に手を出せば別に最低と言われる事無いよね?女だもん。
『あの泥棒猫..呪霊の餌にでもしてあげようかな。
こんな最悪過ぎる現場に遭遇するなんて私も運が無いなぁ』
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後日、五条先輩との呪霊討伐任務の日がやってきた。
あんな現場を目撃した後なのに顔を合わせる事すら気まずくなった。
実際距離を置いてるだけで確実に別れたわけじゃない。
けど私以外の女と仲良くする姿を見ると嫉妬が芽生えてくるんだよね。
お陰様で精神的にメンタル崩壊寸前でマジ死にたい気分。
なんで五条先輩相手にこんな悩ませないといけないのか。
あれ、五条先輩と話す時どんな事を話してるっけ。
五条先輩と居る時ってどんな顔してたっけ...?あれ、?
『は、早く任務終わらせて、か、帰りましょ、
任務内容が、えー..えっと、私、こっちやるんで五条さんはそっちで、』
「...お前俺の事【さん】付けしねえだろ。
なんかまるで他人みたいな感じで接してくるじゃん、何。」
『いや、別に何も無いですよ..ははは、ほら早く行きましょ!』
その後、呪霊を全部倒して無事任務を終える事が出来た。
補助監督のお迎えを待つ間、沈黙が流れるだけだった。
『...最近の調子、どうですかね、』
「別に何の問題も無いけど。お前は?」
『..何か全部を諦めかけてる状態です。
でも夏油先輩達が傍に居るので、全然問題無いですよ!』
本音を言うなら、今すぐ五条先輩を殴りたい気分だ。
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時