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結局里穂と痴話喧嘩して最悪な雰囲気になり、眠れぬまま翌朝を迎えた。
制服に着替えた後部屋を出ると、里穂ではなく五条先輩が居た。
里穂が居ないのは絶好の機会だと普段なら思うのに。
何故か五条先輩と目線を合わせる事が出来ず、言葉が出ない。
何故か以前みたいに五条先輩を避ける自分が居る。
でも最近五条先輩と里穂の距離が近いから、私は邪魔者なんだもん。
私は何時でも別れる覚悟は既に出来てるから。
所詮はお試し期間で付き合っただけだから実際には正式じゃない。
里穂は私の大事な親友だからこそ悲しむ姿を見たくない。
なら私が素直に此処で引き下がる方が1番平和な方法じゃないかな。
私の表情を伺う五条先輩は、心配するかの様に距離を詰めてきた。
「お前、最近また俺の事避けてるよな。」
『私が五条先輩を避ける理由、理解出来るでしょ?
最近里穂と居る時間多いし私との時間が明らかに減った。
先輩の隣には私が居る筈なのに..
気が付けば先輩の隣に居るのは私じゃなくて里穂。
何か私が先輩の彼女で居る意味あるかなって。』
「お前突然何意味不明な事言ってんだよ..俺は、」
『先輩、私達今度こそ距離置きませんか。
私は先輩達の【邪魔者】みたいなんで、邪魔者は退散します。
こういう時でも現れる里穂が本当憎いのよ。』
「五条先輩見つけましたあ!探しましたよ!
夜蛾先生から任務の件で話があるみたいなんで行きましょ?」
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「何か五条の野郎顔面殴りたい気分。夏油、五条呼んできて。」
「私も今回ばかりは悟を殴りたい気分だよ。でも我慢。」
『五条先輩は私よりも可愛い子が御似合いなんですよ。
まあ結果距離を置く事に決めたので暫く苦痛から解放されます。
多分距離置いて自然消滅は確定ですね、お疲れ自分。』
「その選択肢が間違いだとは思わないのか?」
『夏油先輩、五条先輩の話は終わり。もう無関係だから。』
「まあAが決めた事だから私達が口出しする権利無いよ、夏油」
『私も結構本気で先輩の事好きだったけど、
何故か今回ばかりは私に勝算が見えなかったんですよね。』
「Aが良くても私が我慢出来ない。」
「夏油も落ち着きなって。夏油が出た所で五条と喧嘩になるだけだって」
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時