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深夜2時、快適な睡眠を堪能する五条先輩に私は無性に腹を立てた。
確かに私達は同じベッドで睡眠を取ってた筈なのに何故私が床に落ちてるの?
それは、五条先輩がベッドを大幅に占領する所為で私は床に落ちたのだ。
呑気に寝顔を晒す姿に腹が立って、私は手元の枕を顔面に投げ付けた。
顔面に枕攻撃を喰らった五条先輩は思わず起き上がった。
「何事だ!?」と慌てながらも床に落ちている私と目線が合った。
おい五条、貴様の所為で私はベッドから追い出されたんだぞ。
「...お前寝相悪過ぎだろ、ほら」
『お前の寝相が悪過ぎる所為で私がベッドから追い出されたんだよ』
「まさかの原因が俺で草。じゃあお前壁際に行く?」
何気気遣いが出来る部分は完璧だけど、それ以外は全部駄目ですね。
結局私達は場所を交代して、私が壁際で寝る事になった。
数時間後、再び私は目が覚めた。
寝る場所を交代したのは良いけどまた問題が発生した。
次は五条先輩が壁際に寄ってくるから狭い、暑い。
冷房効いてる筈なのに五条先輩が寄ってくるから意味が無い。
『ちょっと離れてくれないかな暑過ぎるよ悟くん。』
「Aぃ〜〜...、貧乳ぅ...まな板ぁ..」
我慢が出来ず、五条先輩をベッドから蹴り落としてしまった。
「痛ぁぁああっ!?」と声を上げた五条先輩。
多分私に後ろから蹴られた事を理解したのだろうか、睨み付けてきた。
済まないね五条先輩、あまりにも邪魔だったから仕方無い。
「...何で俺の事蹴ったの??何、嫌がらせ?」
『五条先輩が邪魔過ぎたんで蹴っちゃいました』
「先輩相手に容赦無ェなコイツ」
『寝る範囲が広いと快適な睡眠を得る事が出来ますね』
「人の事蹴っ飛ばしといてよくそんな事言えたなお前..」
『そもそも悟くんは寝相が悪過ぎるんだよ』
「いーや俺の寝相は悪くねえよ、お前の寝相が悪いの」
結局その後は、お互い寝相が悪過ぎたという解釈で終わった。
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時