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祖母と弟の義彦が親父に殺害された日から1週間経過した。
私の体調は優良ではなく最悪過ぎて、正直御飯が喉を通る訳が無い。
スマホを確認するとネット記事には私の家族が殺害されたと掲載されている。
世間の連中は他人の不幸をネット記事に掲載して何が楽しいんだ。
祖母と弟を殺害した親父は勿論死刑、出来る事なら早く死ね。
毎日ネット記事を漁る生活を始めて以降五条先輩達とは話していない。
五条先輩は、今日も私の部屋の前に夜御飯を置いた。
部屋の扉を数回叩いても反応する事が無いのは分かっているのか、
御飯を部屋の前に置く時は、何時も2回だけ扉をノックして帰る。
五条先輩が居なくなった瞬間を狙って部屋の扉を開けた。
寮母の特性豚汁定食が置かれていて、相変わらず料理が上手な人だった。
部屋の扉を閉めようとすれば、誰かが足を挟ませて妨害してきた。
目の前に目線を写すと其処に居たのは、約1週間振りの五条先輩だった。
『...先輩、私誰とも話す気分になれないんで帰って下さい。
引き続き邪魔するなら夜蛾先生呼んで強制退場してもらいますよ。』
「俺達全員、お前の事死ぬ程心配してんだよ。
お前の祖母、弟が父親に殺害されて憎い気持ちはわかる。
復讐に芽生えるのは当然の事だけど...復讐は却下。」
『一体先輩は誰目線で物語ってるんですか』
「俺は真面目に話してんだけどなあ。
お前みたいな奴に【復讐】なんざ向いてなさすぎだろ。
お前の復讐で周囲の仲間達を手放す気か?」
『祖母と弟を殺害した最低野郎ですよ彼奴は。
そんな最低野郎には痛い程の復讐をしないと反省しません。』
「先ずは復讐を考えずにお前は自分の体調を治せ」
『...先輩は見掛けに寄らず優男ですよね、憧れます』
「俺はGLGだから優男なのは当然の事だよなあ。」
『口を開けば残念ですね、先輩』
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時