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現在、五条先輩が緊急事態だと夏油先輩から連絡が来た。
理由を聞けば五条先輩が高熱で見事ダウンしているらしい。
五条先輩の看病係に私が指名された。
それなら親友である夏油先輩が看病したらいい話なのに。
「38℃の高熱で結構辛そうだから彼女の君が面倒見てあげて。
今日は偶然にもオフだから悟のお願い事は出来るだけ聞いてあげるんだよ。」
『余計なお願い事なら容赦無く右脇腹にパンチ入れますから』
「君は病人に優しくする事が出来ないのか...」
夏油先輩が部屋から退室した後、部屋には私と五条先輩だけ。
五条先輩は何やら辛そうな表情で魘されたり、何度も寝返り打ったり。
最強とも呼ばれる男が高熱に負けるなんて面白い話。
高熱の所為か汗を大量に流す五条先輩は、微かに目を開けた。
私の顔を認識するなり、気が抜ける様な笑顔を見せた。
『幾ら最強の男でも高熱には負けるんですね』
「...喉乾いた、お腹空いた。」
『全部私が用意するのでそのまま寝ててください。』
勝手に冷蔵庫を覗けば、ほぼ飲み物ばかりで全く飽きれた。
部屋を出て寮母さんの所に向かえば、寮母さんは笑顔で出迎えてくれた。
「あらあらどうしたんだい?御飯は未だだけど..」
『実は五条先輩が高熱で今寝込んでるんです。
何か簡単なお粥でも作ろうかと思ったんですけど材料がなくて、
申し訳無いんですけど良かったらお粥の材料とか貰えたりって..』
「高熱は辛いねえ。任せな!私が美味しいお粥作ってあげるよ!」
『私、自分で作ったお粥を食べさせてあげたいんです..』
「可愛すぎて私の心臓飛び出るかと思ったじゃないの!」
寮母さんから無事お粥の材料を貰い、五条先輩の部屋に戻った。
五条先輩は相変わらず高熱に魘されながらも眠っていた。
『悟君、黙っていれば美男なのに何で喋るとダメなんだろうね』
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時