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「...お前、なんで俺の事避けてんの?」
不機嫌な状態である五条先輩に言い詰められて、言葉が出て来ない。
確かに突然距離を置いた私が悪いけど五条先輩も五条先輩だ。
此処は勇気を出して反論しようと決意するも相手はあの五条先輩。
顔だけで物語る威圧感、流石に怖過ぎてやっぱ反論出来ません。
『あの出来事が起きてから先輩の顔見ずらくて...
普通の会話を繰り出そうにも目前にすると何故か逃げ足になるんです。
勿論勝手に先輩を避けた私が悪いです、ごめんなさい』
「お前に1日避けられて俺凹んだ。
それに俺以外の奴と普通の話をするのに俺だけ無視だし。」
『先輩、私先輩の事は嫌いじゃないですよ。』
「俺の事が嫌いじゃないなら俺と手繋げるのかよ」
『勿論繋げます、..多分繋げます』
「お前今嘘付いてるだろ。正直に言ってみろよ」
私の言葉を信用してないみたいで腹が立ち、五条先輩の手を取って恋人繋ぎした。
恋人繋ぎは流石にレベルが高過ぎるかと思ったら..
何故か五条先輩は何も言わないままフリーズしていた。
『まさか私に恋人繋ぎされて固まってるんですか..?』
「お、お前が突然恋人繋ぎするからだろ!普通に繋げよっ!」
『手繋げるか聞いてきたのは先輩の方ですよ』
正直、私も今フリーズ寸前の状態で何とか正気を保っている。
新入生歓迎会から数ヶ月も経過しない内に急激に距離が縮まるのは驚いた。
『私達の行動って全部カップルみたいですよね』
「俺達付き合ってるから当然だろ」
『勝手な妄想辞めてもらっていいですかね』
「お前は俺を悲しませる気?」
結局、かれこれ数時間は余裕でくだらない話をしていた私達。
或る意味五条先輩と居る時間が楽しく感じて、何だか幸せな日だった。
『先輩、..私達試しに付き合ってみますか?』
「...え、お前それ本気で言ってる?」
『私が冗談言うように見えますか?ほら、先輩返事は?』
「...お、お願いします..はい、」
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時