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「事情なら悟から全部聞いてるよ、何せ私は悟の親友だからね」
『事情を把握した上で先輩の話するとか..夏油先輩性格悪いですよ』
五条先輩の身に起きた事を夏油先輩は既に把握していたらしい。
五条先輩の「親友」という肩書きを背負ってる以上は何事もお見通し。
私が五条先輩を避けている事も既に把握している筈。
でも、夏油先輩に話したら多分五条先輩の耳に入る気がする。
『私達の問題なので夏油先輩は心配しなくて大丈夫ですよ』
「私は君達の心配をしてる訳じゃなくて悟のあの雰囲気が嫌なだけさ。
授業中何やら呪文みたいな言葉唱えながら机に伏せて、
話しかければまるで上の空みたいな感じでぼーっとしてるし」
『...あんな気まずい空間を体感したんです。
先輩と真正面から話をするとなってもあの出来事が蘇るんですよ。』
「君と悟には普通に仲良くしてほしいと願っているよ。
流石にあの暗い雰囲気を出し続けられても私と硝子が困るからねえ..
じゃあ私はそろそろお暇するよ。」
夏油先輩が部屋から退室した後、部屋の窓を開けて空の様子を眺めた。
綺麗な夕陽が差し込み、私の心を浄化してくれる様な感じだった。
どうしよう...五条先輩に謝罪の意を込めて謝る方がいいかな。
ずっと避け続けたところで五条先輩もいい気分じゃないだろうし。
よし、決めた。五条先輩に謝りに行こう。
部屋着に着替えた状態で五条先輩の部屋に到着した。
しかし、五条先輩は部屋に居なかった。
『折角謝る覚悟が出来たのに部屋に居ないなんてぇ〜〜...』
「随分俺の事避けた奴が自ら来るとは驚いたわ」
『..偶然部屋の前を取り掛かっただけなんでじゃあお疲れ様です』
「無理です俺の部屋に連行します」
五条先輩に腕を掴まれ、そのまま部屋へ連れ込まれた。
何やら何時もの五条先輩とは違って、若干不機嫌な感じ。
「...お前、なんで俺の事避けてんの?」
やっぱその話題ですよねえ、それしか有り得ないか。
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時