君のいない季節____Koji.M (ページ10)

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ｰ康二くんへｰページ10

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ピ…ピ…

聞こえるのは、一定の間隔で弱々しく鳴る電子音と

すすり泣く両親の声

…そろそろ、天からのお迎えがきていることを悟る

薄れゆく意識の中で、最愛の彼を想った

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あの桜の場所は、

高校生の時に見つけてからお気に入りの場所で

1人になりたい時によく行っていた

そこに、ある日突然君が現れた

君は見るからにいい人だった

そっちから声をかけてきたくせに

私が反応した途端に慌てふためく

この人がいい人か悪い人かで賭けをするなら

全財産かけてもいいってくらいには絶対的ないい人

初対面の人に絶対的な安心感を与える君は一体何者なんだろう

そんな君が撮った写真の中で、私はどう写るんだろう

…そんな至って純粋な興味が湧いて

私は被写体になることを受け入れたんだ

君が隣に座ったとき

この空間の空気感が変わった気がした

今までの私には寒色の色合いが強く映っていたこの世界

それが、穏やかで優しい暖色の景色に見えた

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1人になれる場所がなくなってしまった残念さなんか全くなかった

君となら驚くほど自然体でいられたから

それと同時に1人の時とは違う温かな安心感に触れられて

なんなら、1人でいるよりも断然居心地が良かった