君のいない季節____Koji.M (ページ28)

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Aがいなくなって半年

俺は、向き合うことが怖くてずっと行けずにいた

Aの両親のもとへ行こうと決意した

しかし、行こうと思った日に仕事が入りを繰り返し

結局都合がついたのはその更に半年後

デビューが決まってから1年が経ってしまった

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扉を開けて俺を見たお義母さんとお義父さんは

驚いた表情をしていた

「お久しぶりです。…遅うなってすみません」

「向井くん…よく、来てくれたね」

お義父さんが目に涙を浮かべながらそう言ってくれて

彼女の家族の温かさを思い出した

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彼女の仏壇に手を合わせる

穏やかに微笑む写真の中の彼女に

懐かしさと、胸の痛みと、未だ変わらない好きの想いがこみ上げる

その全てがそのまま彼女に伝わるように

静かに目を閉じてしばらく手を合わせていた

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「中々来られんくてすみません

…実際に彼女の存在がおらんくなった時

やっぱりどうしても落ち込んでしもて

半年間ずっと、彼女のおらん現実に向き合うのがしんどかったんです

…でも、時間が経って、

そしてデビュー決定を機にやっと向き合えるようになりました

…彼女のことを想うとどうしてもまだ胸は痛むけど

きっとそれでええんやなって」

静かに聞いてくれていたお義父さんとお義母さんは

俺に微笑みかけてくれる

「私たちもそうよ

やっぱり最初は塞ぎ込んで沈み込んで…

愛する我が子が亡くなったんだもの、仕方ないわよね

でも、それこそあの子を愛してる証拠だし

向井くんも、向き合うのにそんなに時間がかかる程

娘のことを想ってくれてるってことよね

ありがとう康二くん

あの子と出会ってくれたのがあなたで本当に良かった」

俺は感無量の思いでいっぱいになる

「これからもずっとね、あの子のこと想い続けててほしい

それが、天国でのあの子の幸せに繋がると思うの」

「もちろんですよ！

死ぬまで、いや死んでからもずっと！届けます！」

「ふふ、ありがとう向井くん

改めてデビューおめでとうね

…あの子もきっと、喜んでるわ」