天使、拾いました。2【白】

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目の前には困惑した天使の表情がぼんやり見える気がするけど

でも私だって必死で、余裕なんかなくて

私の手は少し震えながら彼の頰に近づいていく









「A…ちゃ、」









人差し指が触れかけた、その瞬間









「…やっぱだめだ！」




「へ！？」









瞬発的に手が引っ込められる









「まだ大人が邪魔して無理…！」




「え！？何が！？」




「ごめんラウちゃん…まだもうちょっと待ってて？」




「え、ねえ何がって！！」









その時ようやく天使の顔が真っ赤なことに気づく









「あれ、どうしたのラウ」




「えっいやいやだって！お姉さんからくることとかないから普段！！

急にびっくりするじゃん〜もうやだ！！」




「ええ」









天使のこんな様子は見たことがなくて

なぜかつられて私もおろおろしてしまう





彼を助けてあげたいけど

彼をそうさせてしまった原因もまた私だから









「な、なんというか…ごめんね？」








どうしてしようもできず、とりあえず謝ると









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「…待ってる」









不意に天使がそう呟いた









「お姉さんからきてくれるの…ぼく待ってるから」









それは、なんとも切ない響きで









「…うん」









たった2文字だけど、私の覚悟が伝わるようにはっきり伝えた








すると、もう悲しげな顔は終わりとでも言うかのように表情が切り替わる









「でも、お姉さんからくるのは待つってだけで、これからも僕からはガンガン行くからね」




「えっ」




「なんならお姉さんが頑張ろうとするの可愛いすぎてもっといくかもしれない」




「ええっ」









「覚悟しといた方がいいよ、お姉さん」









語尾が弾んでいることが明らかなくらい

いたずらっ気たっぷりに言う天使





でもその表情はとても嬉しそうで、幸せそうで

私は、大きな一歩を踏み出して良かったと思った

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