天使、拾いました。【白】

ふっかさんと外回り ページ10

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ふっかside






俺は、よくAと一緒に外回りを担当させられる




営業先からの帰り道、話の切りがいいタイミングで





「ふっかさーん」





いつものように呼びかけられる






「なんだよ」





「いや、この前の件なんですけど、後日聞いたら名前の呼び分けに特に意味はないらしいです」





「…えっと、ごめん何の話？」





「だから気分的なものなんですってー、それでですね」





「最近A俺の話流すこと多いよな、一応先輩だぞ？」





「…この前、ついに許しちゃって」





「誰に何を」





「うちの天使に」





「出たよ天使」





「まあその…軽い一線を…」





「…え、まって、え、」





「いや、ちゃんとダメって言い続けてたんですけど」





「いや待て待て、俺そこまでいけてないから！

一回止まろ？俺のために一回止まって？」






「もーなんですか」






「いや…え、聞くけど、天使って…何？」






「へ、今まで結構天使の話してきましたよね？」





「いや、その天使自身の説明俺受けてないから！」







prrr…




その時、Aの携帯に電話がかかってきた









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「…先輩すみません、急遽私が担当してる企業さんのとこに行かなきゃいけなくなりました」





「おお、わかった、会社には俺から報告しとくから


気をつけてな」





「はい、ありがとうございます！」








そう言って、Aは元の道を小走りで戻っていく









「あ、先輩！」






呼び止められて振り返る








「16歳の、男の子です！」







「…え、何が！」







「天使！…じゃ！」








そう言って、彼女の姿はどんどん小さくなっていく








「…へ」









天使＝16の男…？




しかもあいつ…一線を超えたっつってた…？









「えええええ」







俺の叫び声は、街の騒音にかき消されていった







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