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「でもラウール、俺が口滑らせた直後けっこう心配してたよな？」
「…そりゃあ、びっくりするし…」
"ふふ、まあそうだよな"って笑ってから
めめは少し真面目な顔つきになる
「Aさんとラウールって周りは絶対的な関係だと思うのに、本人たちは案外そう思ってないんだもんな」
お姉さんは、めめにどんな話をしたんだろうか
でも、察するところは確かにあって
「…俺は、お姉さんを安心させてあげたいと思っていつも言葉をかけるんだけど
でもお姉さん、大人の中でもかなりの心配症なんだもん…」
「まあ、相手がラウールだしな…ラウールも、なかなか苦労するな」
そう笑って言うめめはやけにかっこよく見えて
咄嗟にその意味がわかる
「あ、めめ、えっと、あの…」
「ん？どうした？」
どう伝えればいいのか難しすぎて
うまく言葉を紡げない
でも、めめはきちんと受け止めてくれる人だから
「いや、さ、めめとこんな、俺とお姉さんの話するの
申し訳ないって思うし、でもごめんって言うのも違うし…」
俺の一言で、何を言いたいのかを察したみたいだった
「…確かにそうだよな、話しづらいよな」
「いやでも！でも、めめはほんといい人だから純粋に心配して相談に乗ってくれようとするのもわかるし」
「おう。…気遣ってくれてありがとな」
ぽんぽんって今度は優しく乗っけるようにして
また頭を撫でてくるから
「めめ、俺の頭撫ですぎ…」
「ラウールは可愛い弟みたいなもんだからなぁ」
その言葉になんだかすごく安心して
一瞬涙がこぼれそうになる
「…まあ、Aさんは手強いだろうけど、留学応援してるからさ。
俺でよければいつでも相談してこいよ」
俺は、本当にいいお兄ちゃんを持ったなと実感する
めめの応援も背に
留学までの間に少しでもお姉さんに自分の気持ちを伝える努力をしようと決意した
終わり
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作者名：ゆきみだいふく。 | 作成日時：2020年9月21日 16時
