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「うん、話したよ」
正直に、そう答える
「そっか。…Aさん、大丈夫かな」
「…やっぱ心配？」
伝えた時のお姉さんを思い浮かべる
そこには動揺が見えた
ただびっくりしただけ、っていう訳ではないんだと思う
でも、そこのところを俺には一切話さず、くれたのは応援の言葉だけだった
めめは少し考えて言う
「…俺が告白した時もさ、こう…未来に、不安がってるような感じだったから…」
……ん？
「いま、なんて…？」
「え？」
「こ、こく…は、く…？」
"…あ"って口を手で押さえるめめと
何も理解できてない俺
「え、ねえ待って、めめ告白したの！？」
思わず立ち上がって大声で聞いてしまう
でも、焦る俺とは対照的に
どこか落ち着いているようなめめ
「…いや、本当は告白した後に言おうと思ったんだけど。
こういうの俺、正々堂々言いたい派だし」
やけに淡々と話すから
「うん、そんな感じする」
ってちょっとテンション迷子になってそう応えると
めめは腹を決めたように話し出した
「でも、俺の告白を知った上でAさんとラウールが会話した時にさ
Aさんの、どこか不安な部分とか、そういうラウールにはあんま伝えづらいなと思ってる気持ちまで言わせることになったらと思うと、
俺の告白のことなんか伝えるのは今じゃなくてもいいのかもしれないと思ったんだよ」
"…もちろん、思わず告白しちゃった俺が悪いんだけどさ"
って、苦笑いしながらそう付け加えためめ
「いやいやいや…そうしたいなって思うのは人の自由だし、悪いなんて言わなくていいよ
めめに告白されて、嬉しくない人なんかいないだろうし
ありがとうめめ、いろいろ考えて…それを伝えてくれて」
「うん。結構前の話だし、もうとっくに振られてるからさ
そこは安心して」
少し笑いながらそう言っためめからは
もう吹っ切れたことなのか、まだその時の傷は癒えていないのかを汲み取ることが難しかった
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作者名：ゆきみだいふく。 | 作成日時：2020年9月21日 16時
