【原神】痛みの天使忘れた風鈴に (ページ14)

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忘れ物ページ14

カラン＿＿＿＿

軽い音、綺麗な風鈴の音が、耳元で聴こえる

『うっ....』

水面から手を引かれるように、意識を取り戻していく

柔らかいベットの上に私は寝ていて、すぐ横の窓にはカーテンレールに風鈴がかけてあった

少し身じろぐと、ベットの端に覆い被さるように金髪の人が寝ていた

『傷が...』

お腹に傷がある

ハサミで切られたからだ

包帯で巻かれて治療されている。
傷は嫌いだけど、この傷は....嫌いじゃないかもしれない

「ぐぅ...」

金髪の人は、明るい日差しに照らされて目を少しぎゅっとしながら眠っていた

身体の上だけ起き上がると、ちょうど部屋の扉が開く

「ん、起きたのか」

アルハイゼンは本を片手に持っていたけど、本は閉じてある状態だった

私が起きているのがわかると、駆け寄ってきて私の身体を優しく横にした

「まだ傷が癒えてるわけじゃない、横になっておいた方がいい」

『ありがとう...』

「命に影響はしないが、傷跡は残ってしまうだろうな」

『...ううん、うれしいよ』

「生きていることが、か?」

『傷は嫌いだけど....この傷跡は、私が生きてるって証拠になる』

「....そうか。ならよかった」

私の言葉に返事をすると、アルハイゼンは続けて食事を持ってこようと行って私の傍から離れた

カラン、と風鈴の音が鳴ってそよ風は耳の横を通り抜けていった