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___紗凪side



目を瞑って そうやって 話してくれる岩橋くんは


強いんだ って思った。


きっと みんな 私より強い。


いや、絶対だ。


辛い事…でもなんで それが


今の事に 繋がるんだろう?


「その事がね。


『人との関わりを深くしない』


って事。


人と繋がらないと 世の中

渡れない ってことは知ってる。


でも これ以上 傷つきたくないって

そういう思いがこもってる 誓いなの。


僕達 小学校の時から バスケが大好きでね。

絶対に 手を抜かないって決めてて。


人との繋がりが バスケの邪魔になったの。」


岩橋さんが 急にそんなことを言って


私は正直 とても驚いた。


人と繋がりが 大好きなバスケの邪魔になる?


なんでだろう?


「ほら、オープンスクールの時。

僕達がやってる時だけ 歓声があったの知ってる?」


そんな質問に 私は頷く。


「その歓声が 僕達を壊していくん…だ。」


その声と共に 岩橋さんは


涙を落とした。


「僕達が普通でいたら

また何か悪いものが寄ってきて

また僕達が誰かを信じて

また裏切られて 苦しむことになる。




そんなことになるくらいなら

真っ向から 嫌われた方がいい。


その方がバスケにも 集中できるって。」




つまり…普通でいたら


オープンスクールの時のように 人が寄ってきて


その人達を信じれば


また裏切られる かもしれないって事か。




だから 嫌われるように


自分から 嫌なキャラを演じて


あんな噂が流れてたんだ…。




この話を聞いて


目の前で泣いている 岩橋さんに


なんて声をかければいいか 分からなくて…


ただ 岩橋さんの背中を


摩るしかなかった。

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作者名:カルデラ | 作成日時:2017年12月11日 14時

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