文句は眼鏡をとってから (ページ8)

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８ ※追加ページ8

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＿＿＿紗凪side

その日は噂話が頭から離れなくて

授業もろくに入ってこなかった。

そんな人達じゃないよ。

だって…永瀬さんは

オープンスクールの時

あんなに楽しそうにバスケしてたもん。

地味で使えないわけがない。

他の人達だっていい人達だと思うから…。

でもそう思えば思うほど

それが嘘のように感じて…。

放課後になればダッシュで

体育館の近くにある部室まで走った。

部室に入ると中にはまだ岩橋さんしかいなくて。

「昨日ぶりだね。」

なんて少し疲れたような顔で返させた。

「昨日の事、分かっちゃった？」

私にお茶を入れながら

ポツリとそう言った岩橋さんの顔は

少し悲しそうだった。

「聞きました。」

「嫌でも聞こえてくるもんね。」

可愛い顔なのにどこか奥深くて

困ったように笑うのを

ただ頷いてみるしかなかった。

それからしばらくの間沈黙があってから

岩橋さんは話してくれた。

「紗凪ちゃん、今から僕が言うことは

全部独り言だから誰にも言っちゃダメだよ？」

そんな風に口に人差し指を当てて

ニコリと優しく笑ってから口を開いた。

「僕達、６人は小学校の頃から一緒で

学年は違っても休み時間は常に一緒だったの。

そりゃお互いに最初は辛い事があったりしたから

喧嘩することもあったけど

家族みたいだった。

辛い事って言うのは簡単に言うと

『裏切り』ってやつ。

廉は彼女に、ただの自分をよくする

お飾りだと思われてて

紫耀は友達に、天然とか可愛いキャラを

演じてる性格悪いって言われて

僕は親に、本当は愛してないし

可愛いなんて思ってないって言われて

岸くんは女友達に、岸くんがいたから

私は命を危険に晒したって言われて

のんちゃんと流星くんは施設の人に、

君達がいると迷惑だって言われて

そんな事があってから

僕達は誓った事があるんだ。」