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＿＿＿紗凪side
今、バスが部の部室には
とても 不穏な空気が漂っていた。
「どうするん？」
廉が眼鏡をかけたまま
不機嫌そうな声で そう言った。
「どうするも何も
このまま続けるしかないんちゃう？」
キャプテンである 望が
まるで 廉に対抗するかのように言う。
…なんで この人達は…
「なんで 俺がビリやねん！」
外周の 競い合いで 負けてしまった廉。
多分だけど、長い間
激しい 運動を してこなかったから
体力不足だったんだと 私は思う。
外周をしてきた後だ と言うのに
息一つ 切れていない彼らが
それぞれ 好みのソファに腰掛けて
タオルで 汗を拭いている。
「仕方ないよ、廉は地味なんだから。」
「地味ちゃうわ！キャラや ただの！」
玄樹がキャラで 廉に言うと
全員が キャラに変身する。
なんか、１人がキャラになったら
全員変わるって言う 変なルールがあるらしい。
「紗凪も…僕達と横にいるんだから…
キャラとか、作ったほうがいいよ。」
私に気を使ってか
おどおどしながら 恥ずかしそうに言ってくる。
「おい、永瀬。早く外出よーぜ？」
さっきの ふわふわしていた雰囲気とは
全く違うキャラで 廉に紫耀が 突っかかる。
「そ、そうですね。」
まるで寸劇を見ているような感じになる。
「ねぇ、そこ邪魔なんだけど。」
後ろから声がしたと思えば
玄樹が だるそうに立っていた。
でも 口調とは裏腹に
少しだけ 顔が優しい気がする。
「じゃあ、私もキャラ作ろうかな？」
なんて言うと
望がいつもより 低い声で私に言った。
「いーんじゃない？」
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作者名：カルデラ | 作成日時：2017年12月11日 14時
