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＿＿＿紗凪side
「まさか、バスケ部！？」
体育館に入ってきた女子生徒が声を上げる。
目を輝かせながら
こちらを見る姿は まるで
アイドルを見るようだった。
「めっちゃイケメンじゃない！？」
「あんなかっこいい人いたっけ？」
「多分、別の人達なんだよ！」
ここで私は訂正したい。
彼らは 紛れもなく 君たちが
恐れ嫌っている バスケ部の奴らなんだと。
でも それを言ってしまったら
きっと 彼ら自身に迷惑がかかる。
彼らは バスケが好き。
私にその気持ちの
邪魔をする権利 なんてない。
彼女たちから他の女子生徒に伝わり、
もっと多くに情報がいく。
「ラスト１分！」
紫耀がそう言った時にはもう
体育館はたくさんの生徒で
溢れかえっており、活気があった。
「お疲れ様。」
私がドリンクとタオルを廉に渡すと
サンキュなんて清々しそうに笑う。
バスケをしている時、
この６人は心から楽しそうだった。
いつも地味で下を向いていて
表情１つ変えない廉も。
楽しそうに周りと会話をして前を向いている。
いつもはメンチを切って威嚇して
赤髪ヤンキーだなんて恐れられている紫耀も。
笑って走り回っていて
とてもじゃないけど ヤンキーには見えない。
いつもは毒舌で先輩から生意気だと言われ
可愛げのない玄樹も。
まるで子供かのように
はしゃぎ 走り回っている。
いつもはものも言わず 冷たい優太も。
いつもはしないような 屈託のない笑顔で
バスケへの愛を感じる。
常時、不機嫌そうで
返事もろくにしないような望も。
キャプテンとして ちゃんとまとめて
なおかつ嬉しそうに笑ってる。
いつも眠そうで やる気がなくて
目が開いてるのか分からない流星も。
目をしっかり開けて真剣な眼差しで
ゴールを見つめて まっすぐな目をしている。
この人たちなら無敵だ。
なぜか 不意に そんなことを思った。
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作者名：カルデラ | 作成日時：2017年12月11日 14時
