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奥の方へ行くと突然刺激臭がした。
(クセぇ何だこの匂い 血気術か…?いや血気術よりかは腐敗した匂い…)
俺はその臭いがする方へ向かった。
(ここが1番きついな……)
俺は臭いが1番きつい所で鬼を探すことにした。
鬼は俺が西の街に来たことに気づいているかもしれねぇから慎重に周りを見渡した。
(こういう時に鴉横にいろよ役に立たねぇな)
俺が鴉に文句をつけてる間に、人が座っているのを見た
実「ハッ、やっとかよ
ンだァ?食事中かァ???来いよ雑魚鬼
俺が殺してやっからよォ」
俺がそう叫ぶと、そいつは振り返った。
(いやこれで人間だったら申し訳ねェな
まぁ、こんな場所に一人でいるんだ鬼だろ)
振り返った奴は涙を流しながら人間を喰っていた
実「は?」
(なんで、この鬼は泣いてる?あれか?美味さに感動してんのか…?嫌でもこの表情は…)
「貴方も、死にに来たの?」
実「はぁ?」
(何言ってんだこの鬼)
「貴方もこの方達のように、自分の人生を捨てに来たのですか?」
実「はぁ?」
よく見ると、この鬼の周りには人間の死体があって。それらの人間はぐちゃぐちゃになっているやつもいれば安らかな顔をしているやつもいた。
実「ははァ なるどな?
つまりはお前 自分の食料をストックしてるってことか、クズだな」
俺がそう言うと鬼は血だらけで整った顔を悲しみに歪ませた。
(んで、鬼のくせにそんな顔すんだよ)
実「なんだよ、間違ったこと言ったか?」
俺がそう言っても鬼は黙りで 下を向いた
(きみのわりぃ鬼だな)
俺はそう思いながら刀を構えた
「貴方は、人だから…鬼にされた人の気持ちも鬼になる気持ちも 人を食べなきゃ行けない哀しさも寂しさも分からないんだ」
と泣きながらその鬼は言った。そして鬼は森の奥の方へ素早く消えていった。
俺はその鬼の姿や泣いてる顔を不覚にも美しいと思ってしまった。
実「あ、まてチクショウ 鬼に逃げられた」
鴉「シナズガワサネミ ニンムシッパイヤクタダズーー」
実「んだと?!てめぇどこから来やがった役に立たねェくせに文句だけはいっちょ前じゃねぇか!」
鴉「ニンムシッパイ ニンムシッパイ」
俺は鬼を目の前にして刀が振れなかった
(チッ、あの鬼に見惚れてたせいでなんて絶てェ言えねェ)
俺は鬼殺隊として鬼を逃してしまったことの不甲斐なさそして、その鬼を美しいと思ってしまった心で御館様にどんな顔向けしていいか分からなかった
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作者名:ささ身 | 作成日時:2019年7月26日 22時