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鬼とは憎むべき対象で、滅するべきもの

それが俺のモットーであり生きる意味でもある
それがどうした。この鬼女を見ていると癒されるし 一緒にいたいと思ってしまう


目の前で俺の腕から流れ出る血を美味しそうに啜る女。

(はしたねぇな…)


その血をすする姿は色があり、俺を少しだけ高揚させる。

「おい、鬼俺の血はそんに美味いかァ?」


俺が質問しても鬼は黙り。
というか聞こえていない、それだけ集中しているんだろう俺の血に それを考えると俺はゾワッとした。

(なんだ、この気持ち………)


「ご馳走様でした。血美味しかったです」

女は淡白にそう言った。

「そうか」

「はい」


しばらく、俺と女に妙な空気が流れた。


(なんだこれ気まづ…御館様に相手の鬼について探るよう言われたが…これはなかなか…)

「おい鬼、お前名前なんて言うんだ」

「Aですが…?」

そいつは不思議そうに言った

「いい名前じゃねぇか」

「父がつけてくれた名前ですので…大変気に入っております」

この女…Aは俺が見る限り初めて笑った

俺はその顔を見るとなんだか照れくさくて話題を変えた

「お前は鬼になってどう思ってる」

「どうですか…死にたいです。
ですが、死ぬ勇気がないです」


女は俺の顔を真っ直ぐ見てこういった
俺は度肝を抜かれた。本当に死にたいと思っていたことに…


「死にたいってのは冗談かと思ってたぜ」

「まぁ半分冗談で半分本気です。」

「んじゃ、死にたくなったら俺が殺してやる」

「それは素敵ですね痛くないのでお願いします」


俺はこの会話に面白さを感じた。

本当は。この鬼…Aに対して鬼への感情を向けるのは間違ってると分かってる。何より鬼に対して1番憎悪の感情を持っているのが多分Aだから。

「まァ、お前も程々に頑張れや」

「そうですね、私が鬼になった意味があるような成果を期待しています」

「じゃあなA」

「…!はい、実弥さんも」


俺はAとの空間に向上がみられたと思い、何故か機嫌が良くなった。

鬼を恨んでいるはずの俺が、鬼に癒されているなんとも珍妙な事だ。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ささ身 | 作成日時:2019年7月26日 22時

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