episode 35 ページ36
指原side
その日の仕事終わり。
Aを私の家へ招待した。
指原「散らかっててごめんね。適当に座って〜」
A「お邪魔します。さしこちゃん家来たの初めて…♪」
そう言ってAはうちの愛猫と戯れる。
私が話をどう切り出そうか迷っていると、Aからふってきた。
A「さしこちゃん、秋元先生から聞いたでしょ?私もびっくりした。…でも、まず最初に誰のことを考えたと思う?」
指原「…ファンのこと?」
A「もちろん、それも考えた。けどね、1番に頭に浮かんだのは、新しい自分だった。アイドル失格かもしれないけど、それが一番最初に浮かんだ。」
そう話したA。
隣に座って顔を覗くと、今まで見たことのない表情をしていた。
瞳の輝きは増しているのに、その奥はひどく揺れていて隙をついたら壊れてしまいそうだった。
いつものようにふんわりとした笑みを浮かべているのに、その笑顔がひどく儚さを帯びている。
でも、言い切った彼女の声に曇りはなかった。
その時、Aはすでに決断していたのだと悟った。
A「明日、乃木坂の桜井さんと会って話をする。」
そうだ。私があの時、その提案に反対しなかったのは…。
ーーAは、きっとこの提案を受け入れる。そして、乗り越える。
そう思ったからだ。
指原「そっか。Aの気持ち、聞かせてくれてありがとう。」
A「…いいの?」
私に反対されると思っていたのか、Aは意外そうに尋ねる。
指原「Aの人生はAのもの。さしこちゃんには止める権利はないし、さしこちゃんはAがどんな決断しても応援するよ。」
A「さしこちゃん、ありがとう。」
そう言って微笑んだAは、一段と輝いて見えたけど、守ってあげたいと思うような淡い輝きだった。
指原「…ねぇ、A。Aはあんまり自分の事話したりしないし、思ってる事言わないけど、たまにはこうやって話してね。さしこちゃんじゃなくてもいい。Aの話せる人に話すんだよ。」
A「うん。ありがとう。そうなの、さしこちゃんの言う通りなんだ。私はそんな自分を探したくて、そんな自分になりたくて、挑戦するんだ。」
…この子、いくつだっけ?
そう錯覚させるくらい、異様に強く響いたその
…彼女の可能性は無限大だ。
ーーまさに、運命の出会い。
小さな少女の新たな挑戦が始まろうとしていた。
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美紀 - 乃木坂ちゃん大好きです最高です (2019年1月15日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろりんご。 | 作成日時:2018年1月11日 18時