君の瞳の輝きは永遠に。 (ページ2)

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episode 1 ページ2

NO side

まだまだ冬の寒さが残る、3月1日。

都内のビルには、夢と希望を持った大勢の女の子が集まっていた。

ーーAKB48第2回ドラフト会議候補者オーディション最終審査結果発表

ある部屋の一角では、たった今夢への切符を掴むための名前が読み上げられようとしていた。

ある者は俯き、あるものは祈り、ある者は掌を握りしめている…

そう、その中に彼女もいた。
たった1人姿勢を正し、大きな瞳で真っ直ぐに前を見つめていた。
かなり小柄だが、彼女をまとうオーラにはどこか存在感がある。

審査員が入ってくる。

部屋の空気が張り詰める。

審査員が部屋の中を見渡して言葉を紡いだ。

番号順に読み上げられる。
彼女の番号は19番。

「……19番。」

ーーはい。

凛とした声が部屋に響く。

合格者はすぐに記者会見へと移る。
緊張からか、彼女の顔は俯きがちだ。
番号順に名前を言っていく。

彼女の番。顔を上げる。

ーーーーーー何かが弾けた

「19番、AAです。」

たったそれだけだったが、顔を上げた時の彼女の瞳は確かな光を宿していた。

それは奇跡の誕生の瞬間

のちに奇跡のアイドルと称される、
AAが確かに存在した瞬間だった。

のちに、総合プロデューサーの秋元康氏はこう語る。

「彼女の目の輝きには衝撃を受けた。思わず吸い込まれそうなくらい真っ直ぐで強かった。彼女の目の輝きを永遠に見たい。そう強く願った。」と。

そう、まさにこの瞬間。

ーー彼女の物語は、始まった。