拾伍 ページ16
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徐々に崩れてゆく鬼を確認して鞘に刀を収める
振り向くと母と娘が抱き合って目を固く瞑っていた
『 ... 目を開けて? 』
「 ... っ ! ぅぐぅ ... ! 」
「 ありがとうございます 、ありがとうございます ... ! 」
微笑めば 、娘は糸が切れたかのように泣き出し
母はひたすら私に頭を垂れた
『 これは私の仕事だから助けるのは当然 、だから顔を上げて?
家族が心配そうに見つめていますから早く行ってあげてください 』
玄関の扉から少し顔を出して 、鬼と家族を交互に伺う父と思わしき人と背負われた赤子
母と娘が走って行けば父は力強く抱きしめた
『 藤のお香をあげますから 、日が長時間当たらない時は焚いてください
そうすれば鬼は近づきません 』
「 何から何までありがとうございます ...
本来は俺が守らなくてはいけないのに生憎走れない体になってしまって 」
そう俯く父
ほのかに薬の香りがするし病を患っているのだろうか
いや 、よく見れば火傷の痕のような傷も
... 仕事で怪我をしたのだろうか
『 ... あなたの分まで私達が家族を鬼から守ります
ですから 、父として誇り高く笑みを浮かべて家族を安心させてあげてください 』
ニッと思い切り笑えば 、一つ頷いて笑顔を浮かべてくれる
鬼は切ったが念の為 、お香を定期的に送らなくては
それではと別れを告げて走り出す
「 お姉さーーーーん!!!! 」
『 ! 』
「 ありがとー!!!! 」
最後に娘が満面の笑みを浮かべて手を振ってくれた
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音(プロフ) - 面白いです!完結頑張って下さい (2020年2月7日 18時) (レス) id: bbad42844a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧 | 作成日時:2020年2月3日 18時