痛みと共に生きる 4

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宿を出る前にバルドに地図をもらい


道を教えてもらって


外に出た


入り組んだ路地を抜けて


元いた賑やかな大通りに来た


ウタ 「すごーい！いろんなお店がある！！あそこ美味しそう！あれ可愛い！！」


ウタは屋台や店に


目移りして楽しそうだ


Aは周りの人間の視線を感じ


落ち着かない


ずっと監視されてるような感覚だ


ウタ 「早く！あっち行くよ！」


『ちょっ！待ってってば！』


小走りで先を行くウタを


見失わないように


追いかける


大通りには無数に店が並び


ウタを退屈させることはなさそうだ


ワクワクしながら探索するウタは


どんどん街の奥へと向かっていく


進むごとに


甘い食べ物や


可愛い雑貨、おもちゃ


フリルの可愛い服など


子供心をくすぐる店が増えていく


それに伴い


ウタのスピードも上がる


ウタ 「すごいすごい！ここ楽しいね！！」


興味をそそる数々に


ご満悦の様子


そんなウタは


ある店で動きを止めた


店 「いらっしゃいませ、可愛いお嬢さん…」


年老いた老婆が顔を出す


ウタ 「ここは…楽譜があるの…？」


一見普通の本屋だが


よく見ると楽譜のゾーンが作られていた



店 「えぇ。音楽がお好きで？」


ウタ 「もちろんよ！私は音楽がだもの！ねぇ、見せて！」


店 「はいはい…もちろんですとも…こちらへどうぞ？」


老婆は店の奥へ促していく


『ウタ！店先を見るだけにして！もう十分でしょ？そろそろ帰ろう？』


ウタ 「やだ！こんなにたくさんの楽譜を見て帰れるわけないでしょ！私はここにいるからAは勝手に帰ってよ！」


『もう…しょうがないな…私も行くよ…』


ワガママを言い出したら


もうAには止められない


諦めて一緒に


奥に入ることにした


この老婆も信用ならない


ウタをひとりにするわけにもいかず


Aは少し離れた位置で


本を手に取り


読んで時間を潰した

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